TPPってなんだよ。てか関税とかいるの?

TPP交渉がスピードアップ

TPP妥結にとって必要な、米大統領の貿易促進権限(TPA)法案が先月29日に成立したことを受け、事務レベルでの日米2国間協議が再開し、7月末には参加12カ国の閣僚会合が開かれる。甘利TPP相は70%の確率で大筋合意があると発言している。ここにきてTPP交渉が一気に加速するのである。ということでTPPとは何かすこしずつ見ていこう。今回は日本の農業への影響に着目する。

 

 

コメ :778% 小麦:252% 牛肉: 38.5%   バター: 360% 砂糖 :328%

 

この数字が何を表すかご存じだろうか?

答えは「関税率」である。

みなさんの多くはこれを高いと感じるだろう。実際に日本の農産物の関税率は諸外国と比べても高い。

では、どうして高いのか? 関税を高くしないと国内農業を守れないからだ。

国内の農産物は国際的な競争力を持たない。簡単に言えば、外国の農産物のほうが安い。この状況を放置すると、日本では安い外国産の農産物ばかりが売れるようになってしまう。そこで「関税」の出番となるのである。関税をかけることで外国産の農産物の値段を、日本の農産物が競争可能な価格にまで釣り上げることができる。

そしてその関税率が特に高く、また重要度もトップクラスな五つのジャンルの農産物を重要五品目と呼ぶ。

それが先ほどあげた

1、コメ 2、麦 3、牛肉、豚肉 4、乳製品 5、砂糖

である。

「聖域」をめぐる交渉

今回のTPP交渉では農産物の関税が原則撤廃されるという内容がとりあげられている。しかし、先述のとおりそれでは困ってしまうのが日本である。そのため政府は聖域、すなわち先述の重要5品目の関税を守るために交渉をしているのである。しかし、その先行きは不透明である。例としてここでは身近な二つの食品をみてみよう。

 vsNZ

バター市場開放派のニュージーランド(NZ)などと、反対派である日本の対立が続いている。バターは高関税をかけたうえで、国がほとんどの輸入を管理する国家貿易品である。そのため、国は、市場開放すると酪農家が大きな打撃を受けため開放できないとしている。一方で、日本国内はバター不足が続く。そのため、不足しているのに市場を開かないのはおかしい、とNZは主張している。解決の糸口は見えない。

 vsUSA

次に日米間で交渉が続けられる牛肉についてである。じつは最近動きがあって日本が輸入する牛肉の関税を、今の38・5%から約15年かけて9%に引き下げる方向で最終調整している。米国産の牛肉はスーパーの店頭などでは100グラムあたり200円~300円で売られている。日本の生産量の3割を占める「国産牛」と価格帯で競合する。米国産が増えると、国産牛も値下がりする可能性がある。さてどうなるのか、、

このようにTPP交渉は国と国との真っ向勝負である。その先行きは不透明だが、これからどうなるのか注視してく必要がある。

しかし、この記事を読んでくださった方の多くは、タイトルの「そもそも関税とかいるの?」という問いにもっと答えてくれと思うだろう。次回はその疑問に対するいろんな意見をまとめてみる。

 

参考URL

「TPP、10月末か11月初めに署名できる可能性=甘利担当相」(ロイター)

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKCN0PB4ZQ20150701

「TPPと日本の農産物の関税」(ネットワーク地球村)

http://www.chikyumura.org/environmental/report/2014/05/30133043.html

「バター不足がちだけど…TPP交渉、苦悩する日本」

http://www.asahi.com/articles/ASH734QKCH73ULZU005.html

 

 

seizee編集部

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当メディア『SeiZee』の編集部です。
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