その本に恋をした。

1.そんなことって!?

私は勉強会やワークショップを時々、開催する。その中で色々な人の様々な主張を取り上げていくつかの観点から考察したりする。その際に、新書や専門書から定義を引っ張りだし、思考の足場を定量化することに努めている。つまり、主観ではなく客観から事件や主張を捉えなおす様に心がけている。考えてみれば、客観とは自らの主観を離れ、他者の主観に自らの思考を同一化する、わかりやすく言えば、他者に憑依したかの様に考えることであり、結局、自らの主観から離れていないという点において、客観ってなんだ、と大きな疑義を提出する行為である。

 

イベントでこういう思考に触れた参加者から、「本の読み方が分からない」と言われたり、「本ってどうやって読むの?」と聞かれることが増えてきた。”What are you saying !? I just read. “としか言えない気がしている。「そんなことってあるの!?」って。でもあえて「俺はこう読んでるよ!」と紹介してみる。しかし、それがsollen(当為)だと言うつもりは一切ないことをご了承頂きたい。

 

ポイントは3つ。wenn(いつするか)、wie(どのようにするか)、was(何をするか)の3つだ。

 

2.Wenn(いつするか)PP_gyoumuyoutokei

実のところ私には暇な時間があれば本を読むという習慣がない。というのも、哲学書を含む学術書を読むことが多く、隙間時間に読むには重すぎるためである。そのため毎日風呂で読むと決めている。ここでどうでもいいカミングアウトをするが、私は長風呂する傾向にあり、毎日、1時間程度お風呂にこもっている。この入浴中に読むことを習慣としている。こうすることでスイッチを入れるのだ。

 

3.Wie(どのようにするか)

「どうやるの?」と聞かれて、ただ字を読むのだと応じる。これではつまらない。私は自らの血肉にしたいと思う100ページの本を1週間かけて読む。

1日目:1-20頁/1-25頁

2日目:1-40頁/1-50頁

3日目:21-60頁/26-75頁

4日目:41-80頁/51-100頁

5日目:61-100頁/75-100頁

6日目:81-100頁/1-50頁

7日目:1-100頁/51-100頁

このようなペースでだ。同じ箇所を3回程度読むことになる。ペースは実際バラバラであるため、これはあくまで例に過ぎないが。ペースを二つ書いた。左側のを基にして、以下を記す。

 

4.Was(何をするか)

このWasが重要だ。3.で「字を読む」と入力しようとしたら、「字を飲む」と打ってしまった。このミスは4.で言いたい半分のことを凝縮している。初日の1-20頁を読む際は、そこに書かれていることを文字のまま「飲み込む」。そして、2日目に1-40頁を読む時に、1-20頁の記述に反論する。どんな反論でも構わない。これを書き留めておき念頭に置きながら、21-40頁を読み進める。時にその反論や疑問が解消される。もちろんされないこともある。3日目は21-40頁に疑問を挟む、そして41-60頁を丸呑みする。このように6日目まで行う。

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ここまですると少なくとも5つの疑問が手元にあるはずだ。7日目には、そのギモンに立ち返りながら通読する。さて、この時にその疑問は解消されるだろうか? 筆者の経験では、コレがなかなか解決していない。その解決できなかった点が、その書籍に対する自らの疑問と反論につながり、今後の研究課題となっていく。この4.Wasこそが読書だと思っている。すなわち”denken”(考えること)だ。読書はただ文字を追う行為ではなく、本と対話する思考的行為だ。以上のように本を読むと、大変洗練された思考訓練になる。一つの読み方として参考にしてもらいたい。

 

しっかりと向き合い、本を読むと本が大好きになる(気がする)。さらに、自らの思考力を鍛えることに役立つ。私はこれからも続ける。大好きだから。一緒にやりませんか?

斉藤亮太【思想・哲学・宗教、政治、文化】

投稿者の過去記事

私に「社会不適合者だ!」と言ってくる人がいますが、それならば社会が私に合わせればいい。え? 合わせられない? そんなに能力低い社会なら変えないとねぇ。
座右の銘「まず疑ってかかるのが科学です」ー

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