同性婚からドラゴンまで。エイプリルフールに見る「ウソ」と「ホント」。

 

一昨日は4月1日・・・そう、エイプリルフール、でした


人間はお茶目なもので、この日はウソをついても「うっそぴょ~ん」で許されるんですよね(やりすぎると怒られる)。今年も漏れなくタイムラインがお茶目なウソで入り乱れ、多くの人々が軽い混乱に陥ったようです。ただ、その日に湧き出たものはウソだけじゃないわけで、ウソの裏の意図とか、ウソのお祭りに紛れていたホントの話とか、目を凝らせばいつもの通り、興味深いメッセージを散見することができましたよ。なので、2日置いて落ち着いた皆さんと、今日は一緒に復習です。

 

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嘘①DMM.com、ジンバブエドル決済はじめる。

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なかなか衝撃のニュース(笑)
一瞬「マジで!?」と思って騙されかけた方も多いのでは?
ただしかし、「ジンバブエドル??」ってなった人のために、そもそもジンバブエドルって何なのかをおさらいしときますと、

ジンバブエドルとは、ジンバブエの複数存在する法定通貨の一つ。
2015年には公式に通貨としての廃止が決定され、2015年6月から回収を開始した。

ということで、今は亡き幻の通貨とも言えるんですが、死んだのはその価値のみで、亡骸(=紙幣本体)はそれこそチリ紙のように現存しているようです。そもそも何故ジンバブエドルは廃止回収に追い込まれたのかというと、それは、ジンバブエドルがハイパーインフレーションによってほとんど価値を失ったからでした。

「ハイパーインフレーション? かっこいいけど、どんくらいか実際想像つかんなあ…」

という人のために、回収の時に定められた交換比率を見てみますと、なんと・・・

5米ドル(約620円)17.5京ジンバブエドル。

まじか。「京」を本当に使うタイミングが存在するとは。約300兆ドルにつき1円程度にしかならない計算になるとか、どんだけ雑魚いんだ。そしてですね、これほどのハイパーインフレーションが起こった背景には、ジンバブエでは2000年以降に白人農園の強制収容を進めて主産業の農業が停滞しはじめ、さらには欧米の経済制裁も受けて外貨不足になったことでこの財政赤字を埋め合わせるため、中央銀行が政府に求められるがままに紙幣を印刷したという過去がありまして、最終的には、

・牛乳500ml=600億ジンバブエドル
・牛肉1kg=4380億ジンバブエドル
・そして、100兆ドル札を発行(Amazonで販売中、5630円で記念ケース付き)

する始末になったようです。(「最近牛乳高くね?政府に不満じゃね?」ってならなかったのかジンバブエピーポー。。。)政府は2009年ようやく1兆ジンバブエドル=新1ジンバブエドルになるデノミネーションを開始しましたが、結局実質放棄が決まりました。

紙幣の発行しすぎで起こったこのハイパーインフレーション。フィンテックの勃興が誇大に叫ばれ、すべての貨幣が電子マネーになる未来やってくるかもしれないとなると、そんな近未来ではハイパーインフレーションなんて起こるのかな? だって「お金という価値」が政府という枠と政策に縛られないんでしょ???よく分かんないな、だいたい、「フィンテック」ってなんなのか、よく分からないし。

 

嘘②龍の保護プロジェクト、始動。

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・・・WWFジャパンまでもがエイプリルフール。(笑) 

世界100か国で活動する国際的な環境保全団体であるWWFで、ウソによると、龍の保護プロジェクトが始動したのです。この発表自体は嘘なのですが、WWFジャパンのHPに載っている結びの文章はなかなか考えさせられるものがあるので音読してみましょう。

1970年以来、地球の自然環境は、その豊かさを50パーセント以上も失ってきた。その中で絶滅の危機にさらされている野生動物は、現在2万3250種にのぼる。

詳細なデータを見てみますと、ニホンカワウソ(2012)や、人気キャラクター、ウッドペッカーのもととなったと言われるハシジロキツツキ(1945)やロンサムジョージで知られるピンタゾウガメ(2012)など、近年の悲劇として、自分たちと馴染みあるかわいらしい動物が絶滅していることが分かります(参照:The IUCN レッドリスト)。

うーん、動物の多様性を守るためには、架空の動物とされている龍すらも動物と認定して、多様性のカサ増ししといた方がいいんじゃね?とすら思えてきます。
さらに、あえて保護プロジェクトの対象として龍を選んだ理由が、また深い。

龍の保護には、深い森や海、河などの生態系を、広い視野で保全しなければなりません。そしてこうした自然を、娯楽の対象や経済的な資源としてだけ見るのではなく、人類がまだ十分に知りえない、神秘的な生命が息づく場所として尊重する気持ちを育てていく必要があります。なぜなら龍はもともと、私たちが心に抱く自然への畏怖の気持の中から、生まれたものだからです。

龍は頭がラクダ、角がシカ、爪はタカ、手のひらはトラ、長い首はヘビ、鱗は魚のものだそうで、龍を考えることは、様々な環境を考慮することにつながるのだといいます・・・。確かに昔は神聖な地として踏みいることすら許されていなかった土地がどんどん開拓されたり観光地化している現実を考えると、突き刺さるものがありますね。もちろん、開発が悪ということではないんですが、いつの時も賢く、そして犠牲は小さくしたいものです。
「龍の保護って(笑)」で済ませるのではなく、その奥に潜む問題意識にも目を向けたいです。

 

嘘③Googleから「日本語入力物理フリックバージョン」誕生。

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「あってもいいかもしれない。」

そう思ってしまうぐらいクオリティ高い商品を毎年提案してくるGoogle。

でも、嘘です。ごめんなさい。

エイプリルフールにも本気のGoogle、おもしろい。毎年楽しませてくれますね。今回提案してくれた「日本語入力物理フリックバージョン」。フリック入力とは、スマートフォンで文字を入力するための機能で、キーを押す動作に加えて、キーをスライドさせることで素早く文字入力できるシステムのこと(お馴染みですね)。パソコンのキーボード入力とフリック入力のどちらが快適かにということに関しては人によるようで、その両方のいいとこどりをしたのが今回のこの商品だということです。

パソコン用のキーボードの良い点のひとつは、キーを押したときの感覚だと私たちは考えました。言うなれば、キーのぬくもりがキー、なのではないでしょうか。
このキーのぬくもりをフリック入力が受け継いで完成したものが、Google日本語入力物理フリックバージョンなのです。

”ふれるぬくもり”を意識したというこれ、商品に込めたメッセージはとことん真面目で(ほんまか)、さすがGoogle。「ああ~結構欲しいのになあエイプリルフールかよ」と残念なあなたに朗報ですよ!なんとGoogleは、この商品の設計図を公開しており、頑張れば自作出来ちゃうんです!やっぱり、さすがGoogleさん。欲しい方はぜひ作ってみては?

 

嘘④(ホント①)What’s realer than real? パイオニアGoogleさんの本音。

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あんまりGoogleさんを取り上げすぎるるのも贔屓になっちゃうので、これは多くを語らずプロモーション動画を見ていただくのがいいかもしれません。「語り尽くせない現実は、どこに転がっているんだっけ?」そんな風に考え直させてくれるいいキャンペーンでした。

動画はこちら:youtubeへ
おすすめ面白記事:海外企業の本気エイプリルフール纏め、英文

 

ホント②一斉値上げ。ガリガリ君から夢の国まで。

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昨年の円安による打撃で、原料の調達コストが上がっていることなどから、食品を中心にさまざまな商品が値上げラッシュとなりました。

東京ディズニーランド、シー 大人6900円⇒7400円(3年連続)
食卓塩           3割以上の値上げ(24年ぶり)
ガリガリ君         60円⇒70円(25年ぶり)
あずきバー         60円⇒70円(24年ぶり)
サントリーウイスキー    9.4%~25.0%の引き上げ幅(32年ぶり)
クノールカップスープ    4%~8%の引き上げ(33年ぶり)
カゴメのケチャップなど   4%~9%の引き上げ(25年ぶり)

いや、うん。数十年ぶりの値上げ多すぎやろ。どんだけ溜め込んでたんや。って感じですよね。円安との影響のほかに、世界的な食糧需要の増加や変化なども理由としてあるようです。日本の食料自給率は平成26年度時点で前年度と同じ39%。原料のほとんどを海外に頼っているこの現状が、今回の一斉値上げにつながったと言えます。これを機に、自分が食事をとれるからそれでいいという考えではなく、その食事がどこから来たのか、について少しだけ想像してみると面白いかもしれません。グローバル化がむやみやたらと叫ばれる中で、TPPの問題など、日本はどこに向かうのだろうか?と思うことも多々ありますから、自分の住んでいる国の食料事情くらい、ちゃんと考えてみてもいいかもしれませんね。

と、少々世知辛いホントを紹介したところで、こんな嬉しいホントもありました。

 

ホント③同性婚条例成立。

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これはホントであって欲しいニュース(そしてホント)。

よかったです。やっと、という感じでしょうか。そもそも同性婚条例とってイマイチ何かわからないって人のために少し説明すると、

同性婚条例とは、同性パートナー条例とも呼ばれ、同性のカップルを結婚に相当する”パートナーシップ”と認める証明書を発行する条例。

東京都渋谷区の条例案で、ついに3月31日可決、4月1日に施行されました。条件としては、

⑴区内に住む20歳以上の同性カップルであること
⑵互いが愛情と信頼に基づく関係であることなどを明記した公正証書などの作成

が挙げられます。不動産業者などからは、「通常同性であろうと異性であろうと身分がしっかりしていれば入居は可能であるため、この証明書が何を証明するものなのかわからない」などといった、対応に困る声も挙がっており、まだまだ問題は山積。でも、とにかくよかったです。

 

 

今年も様々な嘘とホントが入り乱れたエイプリルフール。

単におもしろおかしく思える嘘の裏には、実は深くて強い想いが込められていたり、その日のたくさんのウソに紛れて、つらかったり嬉しかったりする大切なホントが隠れていたり。

さて、来年はどんなウソとホントが立ち現れるんでしょうか?

その中に隠れたメッセージを探ってみるのも、エイプリルフールの楽しみ方のひとつかもしれませんね。

 

seizee編集部

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投稿者の過去記事

当メディア『SeiZee』の編集部です。
「読んだらちょっと、考えちゃう」をテーマに記事発信しています。

昨年末から、モスク、競馬場などへのインタビューに力を入れています。

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