【夏休みに読もう!】夢に閃き、姿をつかむ3冊

何か美しいものに触れたり、新しい発見をしたり、忘れかけていたものを思い出した時、閃きが走り、心が豊かになりますよね。
夏休みは様々な機会に溢れているので、そんな経験にめぐり合うこともあるのではないでしょうか。
今から紹介する本も、そんな「閃きの瞬間」となるような一冊になればいいなと思います。

1:谷川俊太郎『詩選集1〜3』

谷川俊太郎の詩は、誰もが一度は読んだことがあるのではないでしょうか。

国語の教科書に載っている詩の定番ですよね。
どうすれば本の良さが伝わるのか考えましたが、詩を実際に読んでいただくのが一番だと思ったので、『詩撰集1』から詩を一つ紹介したいと思います。

「おべんとうの歌」
魔法瓶のお茶が
ちっともさめていないことに
何度でも感激するのだ
白いごはんの中から
梅干しが顔を出す瞬間に
いつもスリルを覚えるのだ
ゆで卵のからが
きれいにくるりとむけると
手柄でもたてた気になるのだ
(大切な薬みたいに包んである塩)
キャラメルなどというものを
口に含むのを許されるのは
いい年をした大人にとって
こんな時だけ
奇跡の時
おべんとうの時
空が青いということに
突然馬鹿か天才のように
夢中になってしまうのだ
小鳥の声が聞こえるといって
オペラの幕が開くみたいに
しーんとするのだ
そしてびっくりする
自分がどんなに小さいものに
幸せを感じているかを知って
そして少し腹を立てる
あんまり簡単に
幸せになった自分に
・・・あそこでは
そうあの廃坑になった町では
おべんとうのある子は
おべんとうを食べていた
そして
おべんとうのない子は
風の強い校庭で
黙ってぶらんこにのっていた
その短い記事と写真を
何故こんなにはっきり
記憶しているのだろう
どうすることもできぬ
くやしさが
泉のように湧き上がる
どうやってわかちあうのか
幸せを
どうやってわかちあうのか
不幸を
手の中の一個のおむすびは
地球のように
重い

どうすればこんな簡単な言葉で、こんなにも豊かな表現ができるのだろうと詩を読むたびに思います。
「あのとき言葉にならなかった感情」を代弁してくれるのが、谷川俊太郎の詩です。
『詩撰集1〜3』のどれも素敵で、一冊だけを選ぶことはできないので、まとめて三冊お勧めします。
この夏、鮮やかな言葉に触れ、心を豊かにしてみてはどうですか?

2:『グローバル・シティ —ニューヨーク・ロンドン・東京から世界を読む−』

どこでもかしこでも見る言葉、”グローバル化”。
現在、多くの人・モノ・カネが国の枠を超えて行き交っています。
「将来、さらにグローバル化が進み、、、、」のような言葉は、耳にタコができるくらい聞いてきました。
しかし同時に、「実際、グローバル化ってなに?」「進んだらどうなるの?」というような疑問はなんとなく持っていました。
そのとき出会った本が、サスキア・サッセンの『グローバル・シティ』でした。

経済格差、多くの移民、コンサルタント会社の躍進、そして製造業の衰退、、、、、、
それらの社会現象がなぜ起こっているのか、”グローバル化”がどう影響しているのかがわかる本です。

読後、様々なニュースを目にするたび、”グローバル化”が進んでいることを実感しました。
そして、その影響がこれから迫ってくる(もう既に迫っている?)ことへの危機感も覚えました。
グローバル化、やばいです。これから自分たちが生きていく社会、甘くないです。
この本を読めば、グローバル化の実体が少し掴めると思います。

少しボリュームのある本ですが、時間のある夏休みに手に取ってみてはどうでしょうか?

3:『アルケミスト』ー誰しも一度は持ったことがある「少年の心」

この本では、羊飼いの少年が”宝物”を探しに、ピラミッドへ向かって旅をします。少年が夢を追いかけ旅していく姿から学ぶことは本当に多いです。

“何か強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように手伝ってくれる”

“まだ若い頃は、すべてがはっきりしていて、すべてが可能だ。夢を見ることも、自分の人生に起こってほしいすべてのことにあこがれることも、恐れない。ところが、時がたつうちに、不思議な力が、自分の運命を実現することは不可能だと、彼らに思い込ませ始めるのだ。”

いったいいくつの「夢を叶えるための教訓」がこの小説の中に出てくるのだろうか、と感じさせられる一冊です。

誰しも一度は「あんなことやってみたい」「こんなこと達成したい」という感情を持ったことがあるでしょう。
しかし、知らぬ間にその夢や憧れを忘れてしまっていることも少なくないでしょう。
また、「あの時あの人に会っていなかったら今はなかった」「あそこであの経験ができたから今がある」と思える瞬間を持っている人も多いのではないかと思います。

自分の信じる道を、ただ真っ直ぐに追いかける。純粋で潔い少年の姿は、忘れかけている「少年の心」を思い出させてくれます。
可能性に満ち溢れている夏休み、「少年の心」を持ち続け毎日を過ごせばどんなに素晴らしいだろうと、考えるだけでワクワクします。
夏のマインドセットに、ぜひ手に取ってみてはどうですか?

以上、夏休みにオススメしたい三冊でした。

中田直志

中田直志【国際・政治・文化】

投稿者の過去記事

【国際・政治・文化】
座右の銘は “風たちぬ、いざ生きめやも”です。
自分の書いた文章が、誰かにとっての閃きの瞬間であったらいいなと思ってます。

日ミャンマー学生会議(IDFC)元スタッフ。現在コペンハーゲン大学に留学中。

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