”安倍談話報告書”の社説比較

首相が終戦記念日の前日に発表するとしている談話の方向性について、有識者会議が報告書をまとめた。戦後70年の節目に発表される談話として、各新聞社は何を求め、どう主張したのか。社説本文は、各新聞のデジタル紙面版でお読みいただきたい。

 

=====

朝日新聞 2015年8月7日

戦後70年談話 和解へのメッセージを

 

「日本と周辺国の間に新たな誤解や不信を招くようでは本末転倒だ。首相自身の個人的な思いを超えて、日本国民を代表し、国際社会をも納得させる歴史総括にする責任が首相にはある。」

外交の基礎となってきた村山談話があるにもかかわらず、わざわざ新たに安倍談話を出す以上は、日本と周辺国の間に新たな誤解や不信を招くことは本末転倒であるとする。談話では、まず戦争の惨禍を経験した日本人や近隣諸国民に寄り添い、そして中韓などとの和解も目指すような内容にしてほしいと結ぶ。

出典:http://www.asahi.com/articles/DA3S11902877.html?ref=editorial_backnumber

 

==========

読売新聞 2015年8月7日

70年談話懇報告 首相も「侵略」を明確に認めよ

 

「談話に『侵略』と書かなければ、首相は侵略の事実を認めたくないと見られても仕方がない。それにより、日本の行動に疑念が持たれたり、対日信頼感が揺らいだりすれば、国益を損なう。」

記事全体を通して、過去を尊重してこそ今後の日本につながるという姿勢であり、「間接的な表現であっても、『侵略』と『植民地支配』に対する心からのお詫びの気持ちが伝わる言葉を盛り込むべきである」と主張するほか、お詫びの仕方を検討すべきだったのではと記すなど、かなり踏み込んだ内容になっている。

出典:http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20150806-OYT1T50109.html

 

==========

毎日新聞 2015年8月7日

有識者報告書 「和解」に資する談話を

 

「70年談話は安倍氏が個人の歴史観を披歴する場ではない。日本を代表する責任者の言葉だ。その性質を自覚し、近隣国との「和解」に資するものに仕上げるべきである。」

戦後50年の村山富市首相談話を踏襲する方針であることの意味は大きいとする一方、報告書の中に韓国を非難する内容が含まれることや、「侵略」という文言を用いるかどうかに再び議論があったことについても触れ、日本国を代表する立場として近隣国との和解をめざすものにするべきだと主張する。

出典:http://mainichi.jp/opinion/news/20150807k0000m070135000c.html

 

==========

産経新聞 2015年8月7日

戦後70年談話 首相は「過去の断罪」排せ

 

「過去を一方的に断罪した村山富市首相談話は、日本の名誉と国益を損なってきた。その轍(てつ)を踏んではなるまい。」

村山談話の踏襲に対しては強く否定的な立場をとり、国際秩序の守り手として、日本が世界に対し一層の貢献をしていく基盤となるものにしてほしいとする。また、中国や韓国が植民地支配と侵略についての謝罪を要求していることにも触れ、「謝罪の繰り返しは関係改善を生まない」と切り捨てている。

出典:http://www.sankei.com/column/news/150807/clm1508070003-n1.html

 

==========

日本経済新聞 2015年8月7日

報告書の歴史観を首相談話に反映させよ

 

「未来志向はよいことだが、過去への発言が踏み込み不足では、未来への発言も色あせる。『侵略』を自らの言葉で語ることを期待したい。」

懇談会において先の戦争を「侵略」と総括したとして、今まで深入りを避けてきた安倍首相にはこの見方を反映してほしいと主張する。また、「戦争責任がある国にはそれなりの自律自制があってしかるべきだ」とも記し、政治家の不規則発言を抑制する効果を期待するなど、比較的首相を牽制するような論調である。

出典:http://www.nikkei.com/article/DGXKZO90257160X00C15A8EA1000/

 

写真引用:http://toyokeizai.net/articles/-/17625

seizee編集部

seizee編集部

投稿者の過去記事

当メディア『SeiZee』の編集部です。
「読んだらちょっと、考えちゃう」をテーマに記事発信しています。

昨年末から、モスク、競馬場などへのインタビューに力を入れています。

ピックアップ記事

  1. 前編では京都大学で活動している「同学会」という団体について、その活動や思いについて触れてきた。…
  2. 新歓のやかましさも過ぎ、新学期の高揚感も過ぎて、学内を歩いて…
  3.  大学の新学期2017年度がはじまり一月ほどが経った。 新入の学部生、まず、おめでとうございます…
PAGE TOP