元日、新聞各社は何を主張するか?【社説比較】

社説は、新聞各社の「本音」が現れる場所と言っても過言ではありません。

事件や情勢の解説記事となることが多い社説ですが、その論調やスタンスは新聞各社により異なります。

メディアリテラシーの重要性が叫ばれる昨今。

各社の社説を比較することは、情報を客観的に判断し取捨選択する力をつけることができる絶好の方法と言えます。

(なお、デジタル版掲載の有無に関係して、今回は4紙の社説比較を行っています。)

 

2016年度初日、新聞各社はどのような社説を掲載したのでしょうか。

社説本文は、各新聞のデジタル紙面版でお読み下さい。

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朝日新聞 2016年1月1日

分断される世界 連帯の再生に向き合う年

「新年の挑戦は、連帯と共感の危機にひとつひとつ向き合うことから始まる。」

イスラム国による世界中の人々の分断、それに対する欧米のイスラム教徒らへの警戒という排外的な「分断」の構図に警鐘を鳴らす。日本国内でも、所得格差がOECD加盟国の所得格差の平均よりも大きいことや、沖縄の米軍基地問題などによって「分断」が生まれていると指摘する。
他方、パリでの国連気候変動会議(COP21)で各国が新しい枠組みに同意したことを、「自分の負担を避けようとするだけでは、問題の本当の解決には繋がらないと、各国の間で実際的な考えが共有された成果」と評価する。
社会の分断は民主主義にとって脅威であり、その修復のためには、世界中が実際的な問題解決のために協力していくことが重要だとしている。

 

出典:http://www.asahi.com/sp/articles/DA3S12141348.html?iref=pcviewpage

 

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読売新聞 2016年1月1日

世界の安定へ重い日本の責務

 

「内外に山積する課題をこなしていくには、政治の安定が不可欠だ。とくに国際政治の舞台で日本が役割を果たすには、各国首脳との意思疎通が円滑になる長期政権のメリットは大きい。」

 

冒頭では混乱する世界情勢を取り上げ、イスラム国やクリミア問題、中国の南シナ海侵攻など、難しさがより増している外交の課題を示す。国際社会における日本の役割も、より重要性を増すことだろう。

その上で、家計・企業ともに依然不安が取り巻く国内情勢にも目を向け、状況打開に向け政治・経済両面でますますの改善・前進が必要であるとする。雇用・社会保障・アベノミクス、TPP、様々な場面で舵取りは難しいが、社説中では長期政権が実現されることに期待を寄せている。

憲法改正や米軍基地問題など、様々な問題に関わる夏の参院選にも触れ、「緊張感を持った実のある政策論議が求められる」と主張した。

 

出典:http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20151231-OYT1T50115.html

 

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毎日新聞 2016年1月1日

2016年を考える 民主主義

 

「全員が納得する決定はない。であるなら、可能な限り多くの人が受け入れ、不満を持つ人を減らす政策決定のあり方を模索しなければ、社会の安定は維持できない。」

 

民主主義という観点で、あるべき政治・社会の姿を説く。

グローバルな視点においても、難民の大量流入やテロによって民主主義・多文化主義が揺さぶられる出来事は数多く起きている。社会の「分断」に直面する今こそ、各国が融和を目指す必要があると主張する。

また、現在は、国家主導型の社会か、国民による成熟した民主主義かの重大な岐路にあるとした上で、「民主主義を鍛え直すには、国民が決定の主役となる、後者の道を選びとるべきだろう。若者の政治参加もそのために生かしたい。」と18歳選挙権にも期待を寄せる。

メディアの役割・責任にも触れつつ、最後を締めくくるのはE.M.フォースターの金言だった。

 

出典:http://mainichi.jp/articles/20160101/k00/00m/070/089000c

 

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日本経済新聞 2016年1月1日

新たな時代の「追いつき追い越せ」へ

 

「まず大事なのは、おのれの姿を正確に知ることだ。というのは、思い描いている日本の自画像がズレているのではないかと考えられるからだ。こびりついている世界第2の経済大国の残像の修正からはじめる必要がある。」

 

日本経済には、将来に対する拭い切れない不安感があるとして、現状の再確認と解決策を提起する。

国際通貨基金による一人あたり名目GDPランキングや、世界銀行がまとめているビジネス環境ランキングなどでも日本は振るわない。実際は世界の「中位国」でしか無いという現実の中で世界的な競争に打ち勝ち、生き残っていくにはどうしたらいいのか。

スイスやオランダなど欧州に範を求め、縮む経済に歯止めをかける必要性を説く。最後は「明治、戦後と日本は2度にわたって外にモデルを求め、内を改め、世界に伍(ご)してきた。いままた新たな追いつき追い越せの時代がやってきている。」と締めくくる。

 

出典:http://www.nikkei.com/article/DGXKZO95689100R00C16A1PE8000/

seizee編集部

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当メディア『SeiZee』の編集部です。
「読んだらちょっと、考えちゃう」をテーマに記事発信しています。

昨年末から、モスク、競馬場などへのインタビューに力を入れています。

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