3・11、新聞各社の姿勢を見る。

社説は、新聞各社の「本音」が現れる場所と言っても過言ではありません。

事件や情勢の解説記事となることが多い社説ですが、その論調やスタンスは新聞各社により異なります。

メディアリテラシーの重要性が叫ばれる昨今。

各社の社説を比較することは、情報を客観的に判断し取捨選択する力をつけることができる絶好の方法と言えます。

 

さて、東日本大震災からちょうど5年の節目となった今日、新聞各社はどのような社説を掲載したのでしょうか。

社説本文は、各新聞のデジタル紙面版でお読み下さい。

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朝日新聞 2016年3月11日

震災から5年 心は一つ、じゃない世界で

「時がたてば、被災地とほかとの間に意識の違いが生じるのは仕方のないことでもある。だが、災害に強い社会を築くには、その溝を埋める不断の努力が欠かせない。いま苦境と闘う人と、そうでない人とは、いつ立場が変わるかも知れない。」

震災と原発事故は今も続いている。そしていつ、「誰が」災害に見舞われるかは誰にも分からない。

今も「福島県では外出時にマスクは必要か」「福島産の米は食べられるのか」なといった質問が今も続くという福島では、この5年に渡る苦悩と克服が被災地の「外」にまで広がっていかないという分断に苦しんでいる。地域の中でも、賠償額や防潮堤、震災遺構の取り扱いなどで人々の和は分断されてきた。心的な距離がますます離れていくような現状にあって、「被災地からの発信を一人ひとりが受け止め、返していくことから、もう一度始めたい。」と結ぶ。

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読売新聞 2016年3月11日

復興総仕上げへ 再生への歩みを確かなものに

「2020年度までの復興・創生期間が過ぎても、「継続して国が前面に立つ」。福島の復興に関し、政府は今回の基本方針にそう明記している。原発事故の爪痕が消えるまで、国を挙げて福島の人々を支えることを再確認したい。」

政府の復興への取り組みの経過と、これからの方針の評価を中心として緻密に記事を構成している。新年度からは事業費の一部を自治体が負担するという状況で、どう全体として前進させていくか。人口減を抑え、人手不足を解消するための待遇改善に目を向けるなど、「人」を意識した取り組みが欠かせない。今も深刻な問題であり、将来に渡っても見通せない課題である「復興」のゴールは、現実を見、常に長期的な視点に立って成果を意識し動くことでしかたどり着けない。安倍政権の言葉や立場を再確認しつつ、国をあげて福島の人々を支える重要性を説く。

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毎日新聞 2016年3月11日

大震災から5年 福島の現実 向き合い、そして前へ

「今後の5年を、これまでと同じスタンスで歩んではならない。地に足をつけた政策が求められる。その礎とするために、原子力災害による被害を真っ正面から見据えた年次の「福島白書」の作成に国を挙げて取り組むべき時ではないか。」

「大震災から5年」と第し、3月1日から11日までに計7本の社説記事が掲載されているが、その7本目となる記事。

福島の復興のため、原発事故の調査や評価や総括について国が責任を持って取り組むべきだとする。国会事故調のように国会が主導してもよいとして、政治の役割として福島と真剣に向き合うことを求める。また、全体の責任を取る存在がないこともやはり問題であるとし、『国際社会の信用を失わないためにも』少しずつ復興が進みつつある福島を国民全体で支えていくべきと説き、結びとしている。

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日本経済新聞 2016年3月11日

(中) 原発事故に向き合う姿を世界に

「この事故に国民全員が向き合い続け、教訓をくみ取らなければならない。国際社会に対しては、放射能汚染の実態や廃炉の状況を包み隠さず伝える責務を負う。原発をどう利用していくか、事故を踏まえた展望を示すべきだ。」

主に原子力発電のあり方について論じている。福島第一原発の廃炉に向けた過程を説明した上で、地下凍土壁の効果や汚染水対策、核燃料の取り出しなど様々な段階で困難が予想されることを示す。原子力発電所を動かすかどうかの審査を行う原子力規制委員会についても、国民の感覚から離れた判断に陥っていないかと問い、「安全」のありようについて真摯に向き合っていかなければならないとする。世界が注視するこの原発事故の処理、混沌とするエネルギー事情の中で、原発のありようも含めたエネルギー利用の長期展望を日本は示していかなくてはならないと結ぶ。

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産経新聞 2016年3月11日

3.11 被災地の自立導く支援を 課題克服を社会の手本に

「震災で浮かび上がったのは、日本社会のひずみである。被災地がその解決策を模索することにも、復興プロセスの意義はある。先進的な取り組みを、日本の社会 全体が後追いする日もいずれ来るだろう。被災地がそのモデルを内外に示し、本当の「復興」に胸を張れる日が来ると信じたい。」

震災を期にあらわになった日本の地方が抱える課題について、「市民による」復興という視点から日本の未来を見る。「住民が自らの足で歩ける仕組みを今のうちに構築できるか」どうかが大事であるとして、行政の手が回らないコミュニティーの再建や地域振興を支えている組織や、釜石市の例を軸にした産業構造の転換などを紹介する。被災地が「20年、30年後の日本を映す鏡」と言われると前置きしたうえで綴られる、「だが震災で受けた打撃を、新たな基盤を構築するための好機と捉えられないか。」という言葉は、国民全体で考えるべき捉え方であるように感じられる。

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seizee編集部

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当メディア『SeiZee』の編集部です。
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昨年末から、モスク、競馬場などへのインタビューに力を入れています。

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