“安保法制審議”の社説比較

朝日新聞 2015年07月11日

安保法制 首相の「丁寧な説明」?

「(異なる意見を持つ者の間への)架橋を放棄し「身内」だけで編んだ綱は太く見えても弱く、短い。その上を渡るがごとき首相の政治姿勢は危うい。」

安倍首相が国民に安保法制を説明しようとする手法について述べている。その「複雑な国家間の関係を単純化する」手法について例を挙げて説明したうえで疑問を提起し、首相が国民に対して真摯に向き合っているとは思えないとして批判している。すべての人の同意は得られなかったとしても、その架け橋を作る努力をすることこそ最も重要であるとする。

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読売新聞 2015年07月11日

安保集中審議 厳しい事態にも備える法制に

「中国が東シナ海でガス田掘削用海上施設を増設するなど、日本の安保環境は一段と悪化している。どんな仕組みが効果的か、現実に即した議論を行うべきだ。」

衆院特別委員会で行われた、政府提出の安全保障関連法案と、維新・民主両党提出の対案の3法案に関する集中審議についての社説。警察権で対応することを主張した民主党や、自衛権の再定義を行ったとして個別的か集団的か区別をしない考えもほのめかした維新の党と政府与党との議論の過程の一部を示し、憲法解釈の変更により集団的自衛権の行使を限定容認する政府案を擁護している。

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毎日新聞 2015年07月11日

安保転機を問う 民・維の対案

「野党の対案がようやく出され、審議が始まったばかりである。政府・与党は来週にも衆院の特別委員会で関連法案を採決する方針というが、論外だ。徹底審議を求める。」

民主党と維新の党が国会に提出した領域警備法案の内容について、議論の過程とともに分かりやすく説明するほか、維新が単独で提出した対案についても、その目的と未だ明確でない点とを挙げており、社説としては深くまで解説しているように思える。議論すべき点を挙げたうえで、さらに突っ込んだ徹底的な議論を要求するという姿勢が前面に出ている。

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産経新聞 2015年07月12日

安保法制の対案 採決遅延の道具にするな

「(野党の対案提出の)時期はあまりにも遅く、内容は物足りない。共同提出に関して、土壇場まで民主と維新はもめた。安保政策の中身より、採決時期に関する両党の戦略の相違が主たる原因だったというのも、極めて残念である。」

政府与党が採決の時期を探り始めている今、対案を提出して採決の引き伸ばしをするのは無責任でしかないという意見をはじめに提示するほか、対案は政府案よりも自衛隊の行動を厳しく制限しようとしているとして野党を激しく非難している。「総じて抑止力を十分に高めるものとはならず、自衛隊が危機に「切れ目」なく対応することを難しくしている。」という表現からもそれが伺えるだろう。

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日本経済新聞 2015年07月9日

対案を端緒に合意形成努めよ

「野党が安全保障関連法案への対案を衆院に提出した。政府案との隔たりは小さくないが、安倍政権は異なる意見もできるだけくみ上げる努力をすべきだ。日本の安保のあり方を巡る幅広い合意形成への端緒となることを期待したい。」

審議が深まることは望ましいことであり、与野党が協力し合意形成を目指すべきだとして、法案への理解を深めることを重視した書き方がなされている。一方、「心配なのは、対案審議や修正協議を時間稼ぎに利用しようとする動きが野党の一部にあることだ。」という表現から伺えるように、いつまでも結論を先延ばしにするのは無責任であるとして、近いうちに答えを出すべきだという姿勢ととれる。

 

seizee編集部

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