「実際日本ってさ、・・・・・・」

「日本の政治や文化は、世界の目からどのように見えるのか」

 

近頃はテレビ番組などでも取り上げられることも多いテーマであるが、おそらく誰もが一度は抱いたことのある疑問だろう。

 

去る8月9日、さまざまな国籍の留学生10人がパネリストとして日本の政治や社会問題について議論するトークイベントが京都大百周年時計台記念館にて行われた。

某番組の名をとって「ニホンのミカタ」と題せられたこのイベントは、若年層の投票率向上に取り組む学生団体ivote(アイ・ヴォート)関西が主催となって行われ、来場した約120人の方々は様々な視点から語られる留学生たちの話に聞き入っていた。

 

イベントは二部構成となっており、第一部では日本の特徴的な文化・習慣・国民性などについて、各国のそれと比較した感想や意見が多く出された。ほんの一部ではあるが、気になった発言を抜粋して紹介する。

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シリア人の留学生ヤヒヤ・アルマスリさん

「シリアは長い歴史があるので、伝統工芸の職人が有名で、人気の職業なんです。刀剣などに使われる槌目の綺麗な製鉄方法などもあり、ダマスカスには伝統的な工芸というものが長い間伝わってきたのです。」

 

マダガスカル人の留学生クラリサさん

「マダガスカルは自然ばかりというイメージが強いですが、実はそんなに自然ばかりではありません。首都などの都市部は結構都会ですし、田舎の方でもスマートフォンをもっている人が多いです。」

 

こうしたテーマの話題では自然と笑いが起こる場面もあり、会場は和やかな雰囲気であった。また、「私の国について誤解しないで!」というコーナーでは以下のような発言もあった。

 

韓国人の留学生ジウォンさん

「テレビで最近韓国と日本との関係を見ると政治的な問題、領土的な問題などがあって韓国人で日本に反感を持っている人は多いと思われやすいと思います。確かにサッカーなどではスポーツのライバル意識で熱くなるということはありますけど、多くの若者はそこまでみんな日本人のことを嫌いではないし、マスコミが大げさに報道しているという節が強いと感じます。自分の周りには、日本の文化が好きで、自分で教科書を買って日本語を勉強している人もいますし、韓国の若者が行きたい都市ナンバーワンが大阪という結果もあったりと、韓国の中でも日本は人気があると思います。」

 

中国人の留学生キョウシキさん

「日本のネットや新聞を見ると、中国に関連するニュースは、ほとんど批判的なものばかりです。これは中国のメディアでも同じなのですが、それぞれの民間人がお互いに悪い印象を持つという点において懸念しています。実際に互いの国に行ったりしない限り、本当はどのような国なのか、どのような人たちがいるのか、ということは知ることができません。知っているのはマスコミの報道だけです。ですからマスコミの報道に対する態度は非常に大事だと思います。」

 

こうした生の声に触れられることはとても貴重であろう。参加者は普段聞くことの少ない外国人の本音に真面目に耳を傾けていた。

 

 

性的マイノリティ、社会保障、移民問題などについての話題は、これからの日本でも特に重要になるであろうテーマであり、比較的真面目なトーンでの発言が続いた。

 

インド人の留学生アニバンさん

「基本的にインドでは社会保障というものは存在しません。失業保険などもありませんし、人口社会保障を行うことが可能かと言われれば可能なのです。インドは世界でも有数の金持ちがいますし、税金も十分取れることは事実です。ですが、もともと自己責任論的な姿勢があることもあって、政府が保証する必要があると思っていないから、行われていないという状況ですね。」

 

終盤では、今年で第二次世界大戦の終結から70年を迎えたことにちなみ、戦争や軍隊、日本の有り方などについての発言がなされた。

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スペイン人の留学生カルロスさん

「どうしてあそこまでの被害を受けても日本人はアメリカのことが好きなのか、そこがどれだけ考えても分かりません。私もアメリカは好きですけれど、スペインの中にもアメリカが嫌いな若者、老人もいます。でもスペインとアメリカとの間に戦争があったのは100年以上も前ですし、日本人は第二次大戦という大きな戦争を経験しているのに、みんなアメリカが好きで、例えば中国語などよりも英語をしゃべろうとしたがるのは自分では理解ができません。」

 

台湾人の留学生エイスケさん

「台湾は徴兵制なので、僕は来日する前に台湾で1年ほど軍隊に行っていました。銃を撃ったこともありますし、人を倒したことや催涙ガスを経験したこともあります。軍隊に行くと訓練を受けて自立し、本当に成長を実感できます。日本人の男性も、普通に考えて軍隊に行った方が良いですね。行った方が良いですよ。国が我々を守ってきているのだから、それを返してあげるという形で、男性がそういう気持ちで軍隊に行くというのは考え方としてあると思います。戦争するために軍隊に行くのではなく、「国に貢献する」という点で私は徴兵制の良さを考えています。」

 

アメリカ人の留学生ローレンさん

「私は日本が軍を持つことには反対です。アメリカでは国家予算のかなりの額を軍事費が占めているので、例えば橋や図書館などの公共施設など、いくべきところにお金がいっていません。日本が戦後発達させてきた新幹線のようなインフラなどもアメリカでは不十分ですし、市民の生活を第一に考えてほしいという点で日本には軍備拡大をしてほしくないですね。ですが一方で自分の国の軍隊をもつことは誇らしいと思う気持ちもあります。」

 

フランス人の留学生クララさん

「ヨーロッパでは、歴史の中において戦争が当たり前でした。戦争に巻き込まれなかったこの70年がむしろ奇跡のような感じさえもしてしまいます。国っていうのは戦争するものだとどうしても考えてしまうのです。もちろん戦争は避けるべきものだとは思っていますが。」

 

 

日本とは違う文化からの視点は、このグローバル社会においてという以上に、諸問題を新たな観点から見つけなおすという点において当然重要なものであろう。意識していないと難しいことではあるが、ぜひ国内だけの視点にとどまらない広い視野を持っていきたいものだ。

 

 

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seizee編集部

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当メディア『SeiZee』の編集部です。
「読んだらちょっと、考えちゃう」をテーマに記事発信しています。

昨年末から、モスク、競馬場などへのインタビューに力を入れています。

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