若手版ダボス会議に参加して感じた5つのあまりに普遍的なこと

皆さんは、World Economic Forum(ダボス会議)のイニシアティブのもと形成されたGlobal Shapers Communityという組織をご存知でしょうか?

「世界の人口の半分は27歳以下である」という事実から、30歳以下の若者の声を無視して社会を形成することはできないという価値観のもと創出された若手リーダーたちのプラットフォームです。
世界に450ほどあるHub(支局)に、それぞれのエリアの若手リーダーが在籍し、各エリアで世界の前進のための活動を続けています。

そんなGlobal Shapers Communityの年次総会(Annual Curators Meeting)が昨年8月、スイスのジュネーブで開かれました。

恐縮ながら、Kyoto Hub代表として僕、徐東輝も出席させていただいたのですが、そこで改めて感じたことをまとめてみました。(本記事自体は9月には書いていたのですが、寝かせたまま、ダボス会議本会が閉幕したこの時期に公開することにしました。笑)

英語が使えないことは”死”を意味する

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朝食やランチタイムは自由にShaperたちと交流を図る場に。

当たり前のことですが、基本的な共有言語は英語です。
フォーラム自体も、ワークショップも何もかも英語で進められます。
そして、ほとんど全員が不自由なく英語を使うことができるため、この場所で「英語ができない」ということは死を意味します。

「聞くことができる」「言っていることが理解できる」という程度の英語でも、なお瀕死状態です。
相互のやりとりが求められる「Give&Take」のこの世界で、一方が聞きっぱなしというのは「Give&Takeの会話」ではありません。
その空間に何か価値を発することができなければ、存在しないことと等しくなってしまいます。
逆にGiveしようとする人間は多少英語が拙くても、みんな一生懸命理解してくれようとするのです。
改めて、僕自身、英語で「対話する」重要性を考えさせられました。

さて、僕が持っているとっておきの裏技ですが、それは「ノリ」です。
とにかく、「ノリ」で絡んでいって、適当に話し始めたら、向こうは理解しようと聞いてくれます。話していけばみんな聞いてくれる。日本人は言葉を“完璧に”話せないといけないと思っているから言葉が出てこないんですよね。
ノリで「Heeeeyyyy!!!How’s it going my friend???」って握手しにいったら、もうこっちのものです。

”Social Value”のために時間を使うことに何の違和感も覚えない

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改めて感じたことは、ここの来ている人たちというのは「社会的価値を創出するために時間を費やすことに一切の違和感を持たず、惜しまず動くことができる」ということです。
インドで血液ドナーと患者をつなげるITプラットフォームを作っている人、ヨルダンで教育格差をなくそうとしている人、メキシコで犯罪率を低下させようとソーシャルプラットフォームを作ろうとしている人など、たくさんのSocial Innovatorたちがいます。
彼らは、そういった「社会的価値の創出」のために動くことが当然のこととして念頭にあるため、「なぜそういうことをするんだい?」という質問はナンセンスです。

日本はこの概念が薄い気がする。
僕自身も様々な活動をしていることに対して、「なんで動くんですか?」とか聞かれたりすることがあるのですが、「僕はマグロなんですよー。動いていないと息ができなくなって死んじゃうんです。笑」と答えています。
そういうことも含めてGlobal Shapersたちと会話していると、「社会的価値の創出」というところにデフォルトライン(初期設定値)があるんだなぁと感じました。だから、むしろ動いていないことに対して疑問を感じてしまう。
だけど、きっとこういう人(デフォルトラインがそうなっている人)っていうのは少数派なんだという話もShaperたちはしていました。

もしよろしければ、紀里谷和明監督のインタビュー「頑張ってる学生が『意識高い』と揶揄される日本は末期症状である」もお読み下さい。

”National”ではなく”Global”

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集ったShaperたちが考える「世界/自分たちの都市が抱える問題Top3」 Inequality(不平等)/Climate Change(気候変動)/Education(教育)/Youth Unemployment(若者の失業者)/Government Transparency(政府の透明性)などが上位に。

ある方が仰っていました。ここに来ている人たちは、“National Shaper”ではなく、“Global Shaper”なんだと。National LeaderではなくGlobal Leaderですと。
だから、「国益」だとか「国のために」という修飾語を持たず、それを越えた視座で、具体的な一つ一つの問題に取り組んでいます。

“Davos Man(ダボスマン)”という言葉は、サミュエル・ハンティントンが「アイデンティティ形成として、国を超えている(意識していない)人々」を指して言った言葉ですが、あの年次総会はまさに”Davos Man(ダボスマン)”の集まりでした。
「国際社会における自国のプレゼンス」という考え方は一切なく、ただ「社会の前進のため」を語り、行動する方々でした。

女性の数が半端じゃない

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Manila Hubの活動を紹介する女性Shaper

とにかく女性の数が半端じゃありません。
全体フォーラムの参加比率は、男女でほぼ半々でした。それだけ女性のGlobal Shaperが多かった。

聞いてみたところ、どうやらあえて女性の数をそれだけ多くしているとのこと。
しかも、参加者のみならず、発言者を当てる際にも男性と女性のバランスを意識するという徹底ぶり。
日本の意識高い系空間(イベント)では、ビジネスレベルでも大学生界隈でも女性の比率は著しく低いので、そういったものに慣れてしまった僕からすれば、本当に素敵な空間でした。

”Sustainability”という共通言語

Sustainabilityを社是の一つにするCoca Cola社もメインスポンサーの一つ。

Sustainabilityを社是の一つにするCoca Cola社もメインスポンサーの一つ。

フォーラムにおいて、”Global”や”Shape”と同じレベルで参加者が共有していた言葉が”Sustainability(持続可能性)”でした。
確かに、日本でも原発事故以降、Sustainability(持続可能性)という概念は一般的になってきましたが、このフォーラムではエネルギーや農業などの環境面における持続可能性のみが語られたわけではありません。
経済成長の持続可能性、平和の持続可能性、国家の持続可能性、モチベーションの持続可能性などなど、個々人が考える「Sustainability」を巡る議論があり、その視点は多岐に渡り、心からワクワクするものばかりでした。

最後に…。

Global Shapers Communityは、”Think Global, Act Local”を具現する本物のコミュニティです。
世界中で開かれる数々のカンファレンスでGlobal Agenda(地球規模課題)を確認し、それぞれのHub(支局)で社会の前進に寄与するためのプラットフォームです。
もし少しでも興味があれば、ぜひGlobal Shaperに応募してみてください!

徐東輝

徐東輝【政治】

投稿者の過去記事

若者と政治をつなげるivote関西代表。ダボス会議グロバールシェイパー。京都大学法科大学院生として学ぶ傍ら、政治教育・メディアのあり方を探っています。日韓×憲法の視点で執筆中です。

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