女性とは、表現とは何だろう 【Y】

SeiZeeアドベントカレンダー企画11日目です!

SeiZee初の全体企画に私も私も!と手を挙げて、勝手にニュースを振り返ることにしました。
皆さんにそれぞれテーマが割り振られているみたいですが、Yが勝手に選ぶ今年の3大ニュースのテーマは、「女性と表現」です。

それではさっさといきましょう!

 

第3位 「萌えおこし」の炎上 「碧志摩(あおしま)メグ」の市公認撤回

3位では、市町村などの自治体が町おこしのために萌えキャラクターを登用、公認したところ大バッシングを浴びてしまった騒動をご紹介します。

今年一番有名になってしまったのは志摩市が公認を撤回した碧志摩(あおしま)メグでしょう。

かわいい

今ははっきり「非公認」と明示してあります。

(http://ama-megu.com/aoshima-megu/より)

碧志摩メグは、昨年12月に公募で名前が決定した(当時)三重県志摩市の公認キャラクターでした。

志摩市としては彼女をきっかけに志摩市の水産業や海女さんに対する認知度を上げて、観光を盛り上げようとしたかったようですが

今年8月ごろから署名活動が起こり、7000名の署名が市役所に届けられ、キャラクターの制作会社が志摩市に公認撤回を要望することで決着しました。

…が、これがなぜ問題になったのか、深めるとなかなか一筋縄ではいきません。

というのも「明日少女隊」という市民グループによると

「行政が、未成年の女性を性的なものとして表現し、市の広報のための公認キャラクターとして利用し、
市役所などの多くの公共の場所で公開をしていることは問題である」(傍線部Y註)

ということなのですが、メグは批判されているような
「女性の性的な表現」
なのか????というのが分からないくらい際どいからです。

確かに、萌えキャラは成人向けの性的なコンテンツに用いられることは多いですし、その割に電車の宙づり広告に出てたりするので
「女性をキャラクター化するせいで、実際の女性もモノ扱いされる」といった意見や「性的な表現は、突然見ると不快だから一部の場所でしか公開しない=ゾーニング」
といった考えから批判されがちです。

でも碧志摩メグ自身は服を着ているし、切なげな表情をしているわけでもありません。

賛否が激しく分かれるデザインのキャラクターを行政である市が「皆のキャラクター」として扱わない方が無難なのは勿論ですが、
親しみやすい「萌えキャラ」が既にたくさんの自治体で問題なく活用されている中、「公認してはいけないほどの性的な表現」って何なのか、個人の趣味とは切り離して考えないといけませんよね。

 

2位 はすみとしこ氏による「偽装難民風刺画」にて、少女がモデルとなる。

2位は少し暗くなる話を。シリア難民のヨーロッパ流入が話題になった時期、あるイラストレーターがこんな文章と一緒に画像を掲載して問題になりました。

nanmin※一部の表示に留めます

この画像の元ネタは実際にシリアの難民キャンプにいる6歳の女の子の写真で、人権団体のカメラマンがシリアの過酷な現状を伝える目的で本人と家族の許可を得て撮影したものでした。

このコラージュ画像の問題は色々有るんですが、「女性」という観点からなされた面白い発見は

このイラストで「弱者が自分たち(=大人、または男性)を食い物にしようとしている」という危機感が「女児」表現によって具現化され、
しかも日本でそういった考えがある程度共有されていることが分かったということです。

このイラストの作者は
「シリア難民全てを批判しているわけではない。
お金と生活に余裕があるのに有利な条件で入国しようとする『なりすまし難民』を揶揄しているのだ」
と主張しているのですが(これ自体滅茶苦茶)、
どう譲っても「子ども」本人がそういったことを考えて移民することはなく、
彼らがどこに逃げるか、住むかを決めるのはその親など近くの大人であるはずです。

それにも拘らずわざわざ子どもに悪意的な笑みを抱かせてその計略性を表現するのは、自分たちが本当に批判すべき「なりすまし難民になることを決めた大人(そんな人いるのか?)」を棚上げしてしまっており、ただの弱い者いじめじゃないかと激しく批判されています。

また、表現される性別についても、イラストで表現される「批判対象」の9割以上が女性であり、
「難民」「在日外国人」「国会デモ参加者」といった弱者性と女性を重ね見ているように思われます。

何より悲しいのは、この画像がきっかけで、彼女の本が紙媒体で出版するまでの反響があったことです。

恐ろしいですし、ここで取り上げること自体躊躇しましたが、問題提起として2位にいたします。

 

1位 ろくでなし子、逮捕から一年

3位のメグは行政が女性を性的に(?)表現したら、女性を馬鹿にするな!と市民が怒った事件ですが、 こちらは個人が性的なもの(というか性器)を芸術として表現したら、芸術を馬鹿にするな!と警察が怒った事件です。

そんな大胆な個人が昨年わいせつ物公然陳列罪で逮捕されたろくでなし子さんでして、彼女が最初に逮捕されてから1年経った記念にパーティーを開いた話を、今回堂々の一位にしたいと思います。

6dまじで最高です。

表現、フェミニズム関連の話はどうしてもくそ真面目に深刻になってしまったりするのですが、コメディみたいな状況を作り出して問題を明らかにすることもできるんだとろくでなし子さんは教えてくれます。

彼女は漫画家、エッセイスト、そして自身の性器を石膏でかたどりしてデコレーションした「デコまん」のアーティストです。この性器を使った作品、そして元データである性器の3Dスキャンデータのやり取りがわいせつ物公然陳列罪などなどで逮捕されることになったのですが、彼女の周囲の報道、公権力の滑稽さといったら(※本人たちは真面目です)。

例えば、ろくでなし子さんの職業。彼女の作品はアメリカの「エロティック・アートフェスティバル」では正式出展もしているのですが、逮捕時の報道ではなぜか「自称・芸術家」と肩書を付けられてしまいます。芸術家って、どこまでいけば「自称」じゃなくなるのでしょうか。

また、彼女は性器が「いやらしいもの、タブー」として扱われることや、女性器と男性器で扱われ方が異なることにも疑問を感じており、積極的に「まんこ」と伏字を避けた表現をしています。このまま裁判中に意見陳述で「まんこ」と言い続けたところ、裁判官が「それ以上続けると意見陳述を制限します!」と声を荒げてしまい、ろくでなし子さんが「では、性器と言い換えます」と折れたという話もありますが…この状況想像したらだいぶ面白くないですか。

そんなこんなで彼女は裁判に積極的に出廷しつつ、傍聴者にはスタンプカードや新聞を配るなど茶目っ気たっぷりです。

pointおなじみのぴっぽー君とまんこちゃん

ただ、彼女の裁判は、彼女の作品への評価のみならず、日本における「性的な表現とは何か」「性器とはいかなる存在なのか」という問いに法的な観点から答えることになるという点で、真面目な意味でも非常に重要な事件です。「女性」の表現をめぐって大きな流れを作ること間違いなしの裁判、引き続き要チェックです。
画像掲載元&ご本人ブログはこちら

私はこっちの方がわいせつで「劣情を掻き立てる」と思う。

私はこっちの方がわいせつで「劣情を掻き立てる」と思う。

ということで、Yの選ぶ2015年3大(?)ニュースでした!

メリークリスマス、そして良いお年を~

Y

Y【文化, 社会もしかすると政治・法】

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