アラブの女性に春は来るのか?

最近サウジアラビアで女性の参政権が認められたことに乗じて、サウジアラビアの女性の人権について書いてみました。
イスラム諸国の方と日常的に関わることが少ない方にこそ読んでいただきたいです。

サウジアラビアから見る、イスラム教と女性の政治参加

初めて女性も参加した地方選挙、女性議員誕生

先日、サウジアラビアにおいて、女性が初参加した地方選挙が行われました。
有権者登録をした女性は、有権者のうち9%程度と、やはり少ない割合だったので、立候補した女性にとっては結果的に不利な選挙ではありましたが、史上初の女性議員も誕生しました。

2000議席中約20人が女性。

もちろん割合としてはまだまだですが、女性議員の誕生がサウジアラビアの女性の社会進出に向けて大きな一歩となることはまちがいないでしょう。これにより、厳しいイスラム法であるワッハーブ派のシャリーア軽減に将来的にはつながるのではないでしょうか。また、女性がそういった地位につくこと自体、女性も政治参画するべきだという社会的メッセージを発することになるので、この意味でも今回のことは画期的なことだと言えると考えています。

一方、保守派による反動も

しかし、やはり厳格なイスラム国家なので、保守派の反動も激しいです。
女性の地方参政権が認められた日の二日後には、車の運転をした女性を見せしめとして「公開10回鞭打ちの刑」に処そうとしたのです。(サウジアラビアは女性の車の運転は法によって禁止されています。)結局この鞭打ちは国王の温情により取り消されたので一安心でしたが、女性の政治参画について反対する声は多数あがっているようです。

そもそも、イスラム諸国の宗教文化はどんなもの?

サウジアラビアはイスラム諸国の中でも、女性の社会進出が最も遅れている国だと言われています。
例えば、近親者による付き添いなしでの外出は禁止されていますし、異性と二人で会うことも許されていません。
また、一夫多妻制が認められており、安易な離婚や家庭内暴力も問題となっています。

では、なぜこういった状況が続いているのでしょうか?

七世紀のアラビア半島では、商業化した後に効率化という概念の元女性の隔離が進行し、その後も続いていました。
イスラーム法というのは、コーランの解釈に準じて適用されますが、男性社会なので解釈をする人も男性で、そのような状況で形成されました。
よって、実際にコーランの内容が女性蔑視のものであるかどうかにかかわりなく、現在のような状況が生まれたとのことです。

これからのサウジアラビア

ここから分かるのが、サウジアラビアにおいて「女性の社会進出」「文化、社会の安定性」という2つが現状ではなかなか相容れないということです。

宗教文化を無視した急な改革は、その社会の混乱を産んでしまいます。

そもそも女性の社会進出とは欧米の価値観であり、普遍的ではないことを考慮しなければなりません。自分達の価値観を押し付けるのではなく、その社会にとって何がいいのか、ということを考えなければいけません。

その一方で、文化の名のもとに女性を抑圧するのは間違っているとも言えます。
時代に合わない文化は自然に退廃していくものです。

社会問題とはこのように2つの利益が相反していることが多々あります。たくさん議論し、徐々に社会を変えていく必要があるのではないでしょうか。

インタビューレポート「イスラム教=女性蔑視ではない?!」

ここからは、今年8月にivote関西が実施した終戦記念企画イベント「ニホンのミカタ」にてゲストとして登場していただいた、シリア人のYahyaさんにインタビューした内容と、イスラム教についての論文を元に、女性とイスラム教について考えてみたいと思います。

イスラム教の教典であるコーランは本当に女性蔑視なのか?

イスラム教というと、女性の政治参画があまりなされていなかったり、社会的地位が低かったり、ブルカ等顔を隠す民族衣装を女性が着ていたりと、女性を蔑視した宗教であるというイメージを抱かれている方が多いと思います。しかし、実際のところイスラム教の教典コーランでは、女性を蔑視したような内容は書かれていません。例えばコーランには男性と女性は同じ精神を持っており、男性に精神的優位性があるわけではないといった趣旨のことが書いてあります。逆に、女性や、その母性を称賛してさえいます。

ファトワ(宗教的解釈)って信じていいの?

ではなぜ現在のサウジアラビアでは女性の権利が制限されているのでしょうか?
それは、前回の記事で書いたように、イスラム教の名のもとにそういった慣習、文化が引き継がれているそうです。
また、ファトワというイスラム法学者によって出された宣告というものがあり、これを根拠に女性を抑圧することが正当化されているという面もあります。実際には、ファトワは派閥や大学によって異なっており、すべてのファトワが信頼にあたるものだったり、法的拘束力があるとは言えないのです。女性による車の運転を禁じたものが良い例です。サウジアラビアの人々はそういったファトワを幼少期からずっと聞いて育っているので、当然だと思っている人が多いのでしょうが…

メディアでは報じられないサウジアラビアの一面

普段のメディアの報道により、サウジアラビアに対して人権が制約された悪い国だというイメージを持っているかもしれませんが、他の面も知っておくべきです。
女性の権利に関しては、例えば女性は異性と二人で話せないという決まりが一般的だと思われていますが、実際には交際ではない場合なら二人で公の場で話すことも許されています。結婚や離婚の自由も国によって認められています。
政治参画に関しても、本記事冒頭部で書いたとおり最近参政権が認められましたしね^^
また、サウジアラビアはレイプの割合や犯罪率が世界の中でも特に低かったりと、住みやすい国でもあるのです。

このように、メディアでは報じられない部分についても考慮するべきなのではないでしょうか?
当記事は以上となりますが、今後も中東において女性の社会進出が進むことを期待しましょう!!

※本記事で取り扱った内容はあくまで一個人の考えです。すべてのムスリムの方の考えを代弁しているわけではないことをご了承ください。

コーランについての論文
http://www.islamswomen.com/…/do_muslim_women_have_rights.php

ムハンマドについて
https://www.youtube.com/watch?v=OnN2O2xVJG0

Mielka(旧ivote関西)

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