どこへ向かう?激動の薬剤師業界。

はじめまして。薬学生の飯塚千亜希と申します。

薬剤師ってなにしているの?

おそらくこの記事を読んでくださっている多くの方が最初に思うことではないでしょうか。

(薬剤師の任務)

第1条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。 

と、薬剤師法第1条にありますね。薬学生はみんなこの文章を覚えます。

それで、結局なにをしているの?薬剤師

資格を使う活躍のフィールドとしては、薬局・病院・ドラッグストアがメインになります。
なにをしているか、とても簡単に列挙するならば

  • 処方監査(医師の処方が適切かどうか、確認。)
  • 調剤(医師の処方箋にもとづいて、薬を調合する。数えたり、計ったり、練ったり。)
  • 調剤監査(調剤が適切かどうか、確認。)
  • 疑義照会(処方に疑問があれば、医師に問い合わせる。)
  • 服薬指導(患者さんが医薬品を適切に使うことができるように、説明と聞き取り。)

を基本として、それぞれの患者さんのニーズに合わせながら、
「国民の健康な生活を確保する」ためにできることをいろいろとやっています。

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ん?いろいろ…??

そうなんです。いろいろなんです。

例えば、

  • 生活習慣病予防のための健康教室開催
  • 在宅医療の対応
  • 高度薬学管理機能(がんやHIVの専門薬剤師など)

なども「国民の健康な生活を確保する」という目的のもと薬剤師が行っていたりします。

職能の変化・多様化

さきほど、いろいろと曖昧な表現で書かせていただいたように、近年、医療の高度化・ライフスタイルの多様化・寿命の延びによって、職能の変化・多様化が起こってきました。それ自体はもちろん悪いことではないですし、どの業界でも当然のことと思います。そしてもちろん多様化の中で、全ての薬剤師がそれら全てをやっているわけではなく、それぞれの薬剤師が目指しているものがあります。

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そんな中、わかりにくくなった薬剤師

私自身、薬学部に入るまでは薬剤師がなにをしているのか知りませんでした。健康なときは、医療機関・医療者のことなんてまず考えないし、
特に薬剤師は、世間で取り上げられることも少なく、職能を伝える機会もなく、みなさんと間接的にでも関わる時間すらも少ないのではないでしょうか。ですから、いざそれらを必要としたときに、それらの違いを理解し自分のニーズにあったものを選びとるなんてことは非常に困難ですよね。

そして2015年、薬局薬剤師業界に大きなメスが

2015年2月、大手薬局チェーン子会社の薬歴未記載のニュースを皮切りに、
3月には「医薬分業における規制の見直し」に関する公開ディスカッションの開催。
9月には「健康サポート薬局のあり方に関する検討会」が開かれて報告書がまとめられ、
10月には「患者のための薬局ビジョン」が厚労省から示されました。
これらは主に、薬局・薬局薬剤師のあり方に対するメスであり、2025年・2035年に向かって一定の指針が示された形となりました。来年4月に2年に1度の調剤報酬改定も控えており、「適切な評価をして、適切な報酬を与える」ための第一歩であり、薬局によっては変化をせざるを得ないこともあるでしょう。

一方で、医療全体を見れば

医療業界全体から見た、薬局薬剤師に関するニュースは次のようなものがありました。

  • 2015年6月に発表された「保健医療2035」の提言書の中には、「薬剤師」というワードは一度もでてこない。
  • 日本医療研究開発機構(AMED)の設立により、医療研究の新たな司令塔が誕生し、創薬には予算が投じられている。
  • 2015年9月には、米国FDAで初めてセンサーチップを内蔵した医薬品の承認も行われた。(これにより、服薬管理のあり方が変わるかも?)

激動?の薬剤師業界

薬局・薬局薬剤師業界を見れば、これまで続いてきた薬局・薬局薬剤師の歴史を一度整理して、新たに目標を立てるような激動の一年であり、ここから数年続く変化の幕開けと言えると思います。しかし前述したような医療全体の進化の中で、薬剤師が「国民の健康な生活を確保する」ために力を発揮し続けるためには、さらなる変化が求められるでしょう。そして、医療が医療者だけのものではない時代になったからこそ、人々にとって真に必要なものだけが残る激動の年が、もうそこまで来ていると思います。

2016年は、どんな年になるのでしょうか?

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ここまでおつきあいいただいて、ありがとうございました。みなさんの健康自体に興味はあっても、健康をサポートしていく医療者に興味を持つことは難しいかもしれません。

しかし、みなさんが健康であり続けるために医療者を知っておくことは大切なことではないかと思います。

そして、それだけではありません。

「医療が医療者だけのものではない時代」と書きましたが、そこには、

  • 患者さんの意向を尊重し、ともにプレイヤーとして病気と闘うこと
  • 人らしく生きるという概念を考えざるを得なくなってきたこと
  • 機械やロボットなど、テクノロジーの参入

などを含めて、たくさんの意味があると思います。医療をそう多角的に捉え、自分なりに行動しようとしたときに、「薬剤師」という職業のことも知ってもらえたらいいなとも思っています。

2016年も、みなさんがみなさんらしい生活を送れますように。

飯塚千亜希【薬学・医療・ヘルスケア】
「世界中の人が自分らしい生活を送れるように」 そのためにできることが、薬学・医療・ヘルスケアにはたくさんあると思っています。その中で自分にできることをやろうとしている薬学部生です。 この分野は敷居が高いと言われがちですが、”ホント”の部分をお伝えできればと思います。

seizee編集部

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当メディア『SeiZee』の編集部です。
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