韓国でMERS感染拡がる 事態収束はいつか

韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染拡大が問題となっています。

MERSの基礎知識や拡大の経緯などを解説します。

中東呼吸器症候群(MERS)とは

MERSMERSコロナウイルスの電子顕微鏡写真

              (国立感染症研究所ウイルス第3部提供)

Middle East Respiratory Syndromeの略。

2012年に中東で確認された新型感染症で、重い肺炎などを引き起こすとされます。

潜伏期間は2日~2週間とされ、38度以上の高熱、せきなどの症状が表れます。

主として中東地域*で患者が報告されています。

このほか、ヨーロッパ(イタリア、英国、オーストリア、オランダ、ギリシャ、ドイツ、フランス、トルコ)、アフリカ(アルジェリア、エジプト、チュニジア)、アジア(フィリピン、マレーシア、韓国、中国、タイ)及び北米大陸(アメリカ合衆国)からも患者の報告がありますが、これらはすべて、中東地域への渡航歴のある人もしくはその接触者であることがわかっています。現時点で日本人の感染報告はありません。

*アラブ首長国連邦、イエメン、イラン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン(2015年6月24日現在)

感染、拡大の経緯

MERSがどのように人に感染するのかは、まだ正確に分かっていません。

患者から分離されたMERSコロナウイルスと同じウイルスが、中東のヒトコブラクダから分離されていることなどから、ヒトコブラクダがMERSウイルスの保有動物であるとされており、感染源の一つとして疑われています。

しかし、動物との接触歴がない人も多く感染者に含まれており、家族間や、医療機関における患者間、患者-医療従事者間など、濃厚接触者間での感染も報告されています。主に、飛沫感染(咳やくしゃみなどによる)又は接触感染による感染であると考えられています。

 韓国では5月20日、中東のバーレーンなどに渡航した男性(68)が初のMERS感染者として確認されました。(韓国保健福祉省)

6月2日には、初めて感染したとされる男性と一時期同じ病棟におり二次感染が疑われた入院患者2人が死亡し、初の死者が出ました。感染者は25人に達し、最初の感染者と接触していない「三次感染」も確認されました。翌3日には、感染者と接触した疑いのある家族や医療従事者1300人以上に隔離措置を取りました。

情報足りず感染広がる管理の甘さ浮き彫りに

 その後も、感染の拡大は止まらず、6月8日には感染者は計87人、死者は計6人になります。特に1日約8000人の外来患者が利用する韓国5大病院の一つ、サムスンソウル病院(ソウル市)の感染者が倍増します。医療機関などは、感染者が出た病院名の公開を求めてきたが、政府は「混乱を招く」と拒否します。このため、サムスンソウル病院は、平沢聖母病院で感染の疑いがあった男性を知らずに受け入れ、多くの三次感染者を出しました。「(感染者が出た)病院のリストがあれば、新たな感染はなかった」。ある医療関係者はそう悔みました。

感染者が発症前に中国へ出張したり、自宅隔離対象者がゴルフに出かけたりするなど、治療を受ける側の危機意識の低さも露呈しました。

 6月18日現在、感染者は165人、死者23人に上っています。

「緊急事態宣言」は見送られたが

 世界保健機関(WHO)は6月17日、韓国で感染が急拡大した中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスについて、「国際的な公衆衛生上の緊急事態」*には当たらないとの見解を発表しました。  一方、韓国で新たな感染者が出る状況は今後5~6週間は続くとし、各国に対しても警戒を保ち、患者発生に備えることを求めました。ただ、渡航制限や空港や港での全員検査は不要との立場を改めて示しました。

*国際的な公衆衛生上の緊急事態:WHOが感染症の拡大で予想される被害が「極めて深刻」と判断した際に、感染拡大防止に国際的な協力を訴える目的で発表する声明のことです。2014年8月8日にエボラ出血熱が西アフリカで感染拡大した際に発表されています。

予断許さぬ状況続く      

7月1日、5日ぶりに新たな感染者が確認され、韓国政府は引き続き感染拡大の防止策を進めていくと強調しています。

韓国の保健福祉省は2日の記者会見で、今までで感染者は183人、このうち死亡した人は33人となったと発表します。 感染が確認されたのは、ソウルの病院で感染者の治療に当たっていた看護師で、保健福祉省は「詳しい感染経路は調査中だ」としています。 保健福祉省は記者会見で「患者が発生しているため、終息の時期について話すのは今はまだ早い」と述べ、終息が近いのではないかという一部の見方を否定するとともに、今後も患者の推移を注視しながら対策を続ける必要があるという考えを強調しました。 そして、引き続き感染者と接触した人など2200人余りを自宅や医療機関での隔離の対象として、これ以上感染が広がらないよう取り組むとしています。

なお、最新のMERS発生状況はWHO(世界保健機構)でみることができます。

中東呼吸器症候群(MERS)に関するQ&A(厚生労働省公式HPより)

進む感染拡大、韓国経済に打撃…MERSまとめ(YOMIURI ONLINEより)

 出典:http://www.yomiuri.co.jp/matome/20150615-OYT8T50087.html

MERS 韓国で5日ぶりに新たな感染者確認(NHK NEWS WEBより)

seizee編集部

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