これでわかる!大阪都構想総まとめ~これからの大阪~

大阪都構想の総まとめ

様々な面からこの住民投票を振り返るとともに、これからの大阪を考えて行こうと思います。

 

投票率はいくらだったのか

今回の住民投票は投票率66.83%という結果でした。
これは大阪府知事とのダブル選で投票率が40年ぶりに60%を超えた2011年11月の大阪市長選での60.92%を上回っています。
大阪市内の投票率は、昨年3月の出直し市長選が23.59%で過去最低、今年4月の市議選が48.64%でした。
市長選は1971年12月以降30〜40%台で推移し、95年には28.45%に落ち込んだこともありました。
市議選も03年以降、5割を切る状況が続いています。
このような状況と比べると、今回の住民投票への市民の関心は決して低くなかったと言えるでしょうが、それでも市民の3分の1が投票に行っていないという意味は大きいのではないでしょうか?

 

開票結果の地域差

今回の住民投票では賛成・反対に地域差が見られました。
都構想が成立した場合「湾岸区」「南区」になっていた湾岸地域・南部地域の区ではいずれも反対が賛成を上回りました。

それに対し、梅田のような大阪市の中心部を抱える区では賛成が多数でした。
例えば「南区」の場合、住吉大社やあべのハルカスを抱え、人口も政令指定都市レベルになるはずでしたが、自主財源が少なく財政調整頼りになるのではないかとの懸念もあり、開票結果にそれが表れたとの見方もできます。
平野区においては1万票以上の差をつけて反対票が上回りました。

 

投票理由は…

今回の住民投票では賛成・反対が拮抗しましたが、それぞれどのような理由で1票を投じたのでしょうか。

読売新聞の出口調査によると、賛成への投票理由は
「行政の無駄が削減される」が最も多く、次いで「大阪の経済成長につながる」「地域に応じた政策が行える」「住民サービスが充実する」等の理由が見られました。

反対票を投じた理由としては
「これまでの議論に納得できない」が最多となり、「大阪市がなくなるから」「行政の無駄の削減にならない」「住民サービスに格差が生じる」が続きました。
「説明・議論が尽くされていない」との思いを抱く市民が多かったことが伺えます。

 

これからの大阪を考える

都構想反対派が都構想の対案としていたのが「総合区」です。
総合区制度は、市議会の自民、公明が提案しており、共産も前向きに応じる構えで、都構想に代わる改革案としての議論が動き出しそうです。
総合区は、昨年の通常国会で成立した地方自治法の一部を改正する法律により、指定都市制度の見直しの一環として新たに導入されたものです。
また、住民により身近な地方自治を実現するための制度としては、その趣旨目的は特別区と同じ方向性を持っていると言うことが出来ます。

都構想賛成派が主張していた特別区と反対派が主張していた総合区の違い

前者が法人格を持った、市町村と並びの特別地方公共団体(市町村は普通地方公共団体)です。
それに対して、後者の総合区は法人格を有しない、あくまでも指定都市内における行政区であり、住民に身近な行政サービスに限ってその独立性を強めるという性質があります。

法人格を得ることにより、人と同じように団体名で物を買ったり、不動産の名義人になることが出来ます。
法人格を有しない団体は、例えば設立登記前の会社や町内会・PTAなどです。
特定の事務については、まちづくりの推進や社会福祉、保健衛生等が挙げられますが、あくまでも主なものであり、具体的には条例で定められることになります。
特定の事務については、市長が手を出さず、区長が行うこととなります。
組織見直しがなくなった今、総合区によって府市間の課題を解決していくことが望まれます。

 

以上、様々な観点から「大阪都構想」をめぐる住民投票結果を見てきました。今回の住民投票に関しては、選挙管理委員会や各メディアから、興味深いデータも多数出されています。
橋下徹大阪市長、大阪維新の会が指摘していた問題点は、今後明確な課題として大阪につきつけられたものです。終わっていません。むしろ、改革者がいなくなるであろうこれからが大阪の正念場です。少なくとも、投票率66%で「高い!」と喜んでいるような市が、この正念場を乗り切ることができるのか、多分に疑問です。

seizee編集部

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当メディア『SeiZee』の編集部です。
「読んだらちょっと、考えちゃう」をテーマに記事発信しています。

昨年末から、モスク、競馬場などへのインタビューに力を入れています。

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