「正義は勝つ!」は本当か?

子どもの頃、「正義は勝つ!じゃんけんぽん!」と言ってじゃんけんしていた方はけっこういらっしゃるのではないでしょうか?この「正義は勝つ」について疑問を投げかけたいと思います。

「正義」とはなにか?
アンパンマンのお話の中では、アンパンマンが正義でバイキンマンが悪で、これは絶対不変のようですね。日本の子ども向けアニメでは往々にして、「主人公が正義で、悪役をやっつける!」というのが王道パターンですが、果たして現実世界ではどうなのでしょうか?

「正義」が「悪」になる?
「正義」を明らかにするためにその反対の「悪」を考えてみましょう。世界に名を轟かせた「悪人」と言えば、かの有名なナチスのヒトラーではないでしょうか。ヒトラーはユダヤ人大量虐殺という非人道的な政策を行いました。現在の日本においては「戦争は悪」「人種差別は悪」「殺人は悪」という価値観が多く、彼を肯定的に捉える考えはあまり聞かれません。しかし、彼は当時のドイツにおいては「正義のヒーロー」だったのです。当時のドイツでは経済状況が非常に悪く、国民の不満が高まっていた。そこで、元々キリスト教徒に根強かった「ユダヤ人への憎しみ」の感情をうまく利用し、国民をまとめあげ、経済を復興させたのがヒトラーだったのです。ナチス

いじめやパワハラは「正義」から起こる?
ヒトラーの例は、「正義」や「悪」というものが絶対的なものではない、ということを教えてくれたのではないでしょうか?これを身近な問題で考えてみましょう。例えば、特定の人間関係の中で起こる、いじめやパワハラ。いじめの加害者、パワハラの加害者はほとんど「いじめているつもりではなかった」「パワハラのつもりではなかった」と言います。これはどういうことなのでしょう?加害者となっていた人の心理としては「この子が悪いからみんなで無視しよう」「このできない部下のためを思って指導してやってるんだ」というものが多いのではないでしょうか?つまり、「悪」をした人たちは「悪」をしている自覚なくやっているどころか、自分たちを「正義」だと思っているパターンが多い可能性があります。

また、最近話題であった安保法案の是非についても似たようなことが言えます。賛成派、反対派、共に過激な議論が交わされてきました。しかし、どちらも「自分たちの考えこそが正義である」と考えている、という点で同じではないかと考えます。

人が自分の行動を「悪」と思っているときには、そこに「引け目」というものが生まれます。しかし、「正義」と思っているときは、「引け目」という抑止力が働きにくい。つまり、暴走してしまいがちなのは、「自分たちは正しい!」と信じきっているときなのです。ナチズム、いじめ、パワハラ、安保法案の激論、DV、警察の暴走などなど、、、過激になってしまいがちな攻撃行動ほとんどにこれは通じます。

「正義」や「悪」は絶対的なものではない。それぞれの立場や価値観に基づいた「正義」がある。「自分は正しい!」と思ったときこそ、違う立場や意見を攻撃するのではなく、ふと立ち止まって、違う意見に耳を傾ける必要があるのでは?それが戦争のない社会、お互いを認め合える社会に近付く一歩なのでは。と思っていますが、いかがでしょうか?

菅野 陽希

菅野 陽希【教育・LGBT・政治】

投稿者の過去記事

女子で生まれた男性教諭(特別支援学校)の日々の考察。「LGBT」「教育」ネタを中心に、政治のことも勉強中。好きな自分で生きられる社会、誰も排除されない社会、多様な個が共存できる社会に近付けるためにはどうすればいいか?皆さん一緒に考えていきましょう。

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