高校生600人に聞く、国政と地方議会

私が以前所属していた、埼玉県立浦和高校新聞部では昨年の五月、全校生徒に向けたアンケートを実施した。回収率は全体で五四.六%、総勢六二二人の方に協力していただいた。その結果を元にして、簡単な分析を加えてみようと思う。

 

<アンケート内容と結果>

Q1:外交問題を除いた国の行政について、あなたが最も重要だと思う項目を一つ挙げてください。

  1. エネルギー問題……195人  31.7%
  2. 雇用・福祉・少子化対策……201人 32.6%
  3. 経済の安定または成長……127人 20.6%
  4. 防災……31人 5.0%
  5. 教育問題……46人 7.5%
  6. その他……16人 2.6%

 

Q2:県議会や、自分の住む市区町村議会の活動について

  1. 大いに関心がある……31人 5.0%
  2. ある程度関心がある、またはある程度は知っておくべきだと思う……229人 36.8%
  3. あまり関心は無い、または知っておく必要をそれほど感じない……212人 34.1%
  4. 関心はない……143人 23.0%
  5. その他……7人 1.1%

回収率  1年生 64.8%  2年生 56.3%  3年生 42.1%

回答数  622人        ※小数点第二位を四捨五入

 

 

➣Q1:外交問題を除いた国の行政について、あなたが最も重要だと思う項目を一つ挙げてください

 

全体では、2番の「雇用・福祉・少子化対策」が32.6%、201人で一位、1番の「エネルギー問題」が31.7%、195人と僅差で二位となった。この結果をみると、福祉や少子化対策に力を注ぐ必要があると考えている人が多いことが分かる。超高齢社会とまで言われるなか、さらなる少子高齢化が急速に進みつつある今の日本に、自分の将来への不安を重ね合わせた人もいるのではないだろうか。

また、雇用問題においても、非正規労働者の増加、悪質な労働条件のもとに働かせる、いわゆる「ブラック企業」問題などがよくニュースなどで取り上げられている。この高校では多くの人が大学などに進学するが、大学に入ってしまえばもう就職は近い。雇用問題にも注意を払う必要があるだろう。

二位の「エネルギー問題」は三年生の33.1%が選択し、三年生の中では一番の割合となった。原発の再稼働問題、再生可能エネルギーの利用、電気代の高騰など、エネルギー問題は国の行く末を決める大きな課題といっても過言ではない。そのような問題について考えることは、これから有権者にならんとする高校生にとって非常に重要なことであるだろう。

三位には3番の「経済の安定または成長」が全体で20.6%、127人で入った。また、四位には5番の「教育問題」が7.5%、46人で、五位には4番の「防災」が5.0%、31人で入る結果となった。

今回のアンケートでは、国の行政について質問したが、しっかり考えて回答した人もいれば、何となくイメージで回答してしまった人もいると思われる。だが、国の行政はいつも何らかの形で我々の身近な生活にかかわってきているはずである。18歳選挙権が現実味を帯びている今、一人一人が自分が有権者となった時、なにを大切にしたいのか考えたり調べたりすることが求められるだろう。

 

➣Q2:埼玉県議会や、自分の住む市区町村議会の活動について

 

一番多かったのは2番の「ある程度関心がある、またはある程度は知っておくべきだと思う」が全体で36.8%、229人であった。しかし、3番「あまり関心はない」と答えた人と4番「関心はない」と答えた人を合わせると57.1%を占める結果となった。

確かに、普段都道府県議会や地元の市議会などが何をやっているか分からなかったり、特段自分たちの生活にかかわっているようにも思えなかったりというのはあると思う。また、広報がうまく行き届いていないと感じる側面もあるだろう。だが、関わりがあまり実感できないからといって「自分とは全くかかわりがない」ということでは決してないはずだ。

実際に住民税や消費税の一部などが地方税として直接的にしろ間接的にしろ徴収されている。また、道州制の導入の議論がなされていることも踏まえれば、今後地方行政は国からの分権が進み、ますます重要になってくるのは間違いないだろう。

ある人が記述欄に「あまり関心はないが、知っていく必要はあるかもしれない」と記述していた。このように、我々は関心を持てなくとも、自分の身に大きな影響を及ぼす地方行政の活動を知っていく必要があるのではないだろうか。

 

地方行政はその特色として住民参加がしやすいという側面がある。議題として挙がっている事柄も、調べれば身近なものばかりだ。まだまだ自分には関係ないと思うのではなく、積極的に政治に参加しようとする姿勢が重要だと思う。日々の生活の中で、「知っておく必要がある」と思っているだけでも入ってくる情報は違ったものになるだろう。

seizee編集部

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当メディア『SeiZee』の編集部です。
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