民主化初体験のミャンマー人に、民主主義ってなんだ?って聞いてみた

2015年11月8日、ミャンマー(ビルマ)政府が民政移管を2011年に発表して以来初となる選挙が行われました。軍事政権の歴史を長く持つミャンマーにとって、この選挙は真の民主主義国家へと変わるための歴史的な瞬間でした。現段階ではアウンサンスーチーが率いる政党(NLD)が勝利を宣言し、現与党政党もそれを認め、政権を譲渡する方向に向かっていると各メディアでは報じていますが、、、、、、、、、、

 

政権交代が今後スムーズに進むかどうかなど不安な要素は山積みです。

 

この総選挙がどれだけ歴史的なものなのかは、各メディアの取り上げ方を見れば一目瞭然です。アウンサンスーチーが一言話せば、それがニュースになる状態です。しかし、政治界で影響力のある人や政治的な大きな動きには焦点が当たっても、その社会を生きる人々にはなかなか焦点が当たりません。

 

なので、、、、、、、

この歴史的社会変化の中を生きる人々にとって “投票とは?” “民主主義とは?” を

ミャンマーの若者に聞いてみました!(おそらくどこのメディアもミャンマーの若者の声は拾ってないだろうと勝手に思っています)

 

〜あなたにとって、投票ってなんですか?〜

今回の投票、選挙は僕たちにとって「Change」の瞬間だったんだ。多くのミャンマー人にとって初めて自由に投票ができる機会だったからね(10代、男性) 

かつては政府や権力者を恐れて何もすることができなかった。でも、今は選挙がある

(20代、女性)

投票は、私たち市民が軍事政権を倒すことができる武器だ(20代、女性)

総選挙で圧倒的な議席数で勝利したNLDがスローガンで掲げていた「time to change(変化の時がきた)」は、まさに今回の総選挙を表していました。選挙によって民主主義に近づいていく瞬間が「Change(変化)」の瞬間だったことは、ミャンマーの若者の声からも伝わります。

 

将来の世代の社会をより良くするための、市民全員が持っている責任だ。(10代、女性)

投票とは責任だ。投票をしなければ、市民として責任を果たすチャンスを捨てることになる。(20代、女性)

 投票とは、誰も傷つけず自由にできる自己表現だ。(20代、男性)

 確かに1票は小さな力で、社会に大きな影響は与えないかもしれない。でも、その小さなパワーが集まれば社会を変えることができる。投票は私たちの権利だ。(20代、女性)

投票が「自己表現である」という答えはとても印象的でした。単に投票が「票数」を競うものではないという視点は、投票とは何かを考える上で重要なことのように思います。

 

〜あなたにとって、民主主義とはなんですか?〜

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 民主主義とは、誰もが平等に生活や勉強、働くことができる権利を持つことだ。そしてその社会実現のためにリーダーを選ぶ。でも、リーダーは完璧な人間でないから、僕たちが彼らの力をコントロールしなければならない。(20代、男性)

“民主主義とは選ぶ権利だ。自分たちや将来のためにリーダーを選択し、選ばれたリーダーはその国でなにが起こっているか説明しなければならない。そしてその中で正しいリーダーは誰かを決定していくことが民主主義ではできる。” (20代、女性)

 “政府が国民の権利や声を尊重し国づくりをしていく社会” (20代、女性)

これらの答えからは、民主主義とは政府と国民の相互関係によって成り立っているものだということに気づかされます。「リーダーは完璧な人間でないから、僕たちが彼らの力をコントロールしなければならない。」という言葉は、民主主義の核心をついているような気がします。

〜パワーのあるメッセージ〜

今回質問に答えてくれたミャンマーの若者は、政治に興味関心があり政治的な活動をしている人たちではなく、国際関係や経営学などを学んでいる人たちばかりです。そして、投票や民主主義を経験したことがなかった人たちです。まさに、今回の選挙で投票を経験し、民主主義獲得に向かおうとする人たちでした。だからこそ、彼ら彼女が答えた言葉は「投票とは」「民主主義とは」を純粋に表してるのだと思います。

 

質問をした人たちの中の一人の女性がとても印象的深いメッセージをくれました。なので、最後に紹介したいと思います。

“私は、日本の若者が投票に行かないのもわかるような気がします。日本は機会や権利が平等に持てる社会で、社会の不公平さに危機感を持たなくてもいい社会ですから、、、

 

今、私たちはまさに社会の変化の間(はざま)にいて、選挙によって社会を変えることができます。でも正直言うと、私は小さい頃から不足のない生活を親から受けていましたし、選挙や政治には興味がなく、国にいる貧しい人のことなどは考えたこともありませんでした、、、、外国人との交流プログラムに参加するまでは、、、。

 

私は他国を見たことによって、外国の人がどのように政府から権利を獲得しているのかを知ることができました。以前は、「政府に頼っても意味はない。自分のことは自分でやるしかない。何かを手に入れるためには自分が努力しなければいけないのだ」と思っているタイプの人間でしたから。

 

でも、同じだけ努力しているのにも関わらず、同じものが手に入らないのであれば、それは社会が不平等なのだということ私たちは知るべきです。貧富の格差があるとき、また都市と地方の間に差があるときは、その政府に間違いや不平等性があるということなのです。しかし、私たちは国が間違った方向に行っていることや、崩れていっていることを見ることを拒みがちです。

 

かつては政府や権力者の力を恐れてなにもすることができませんでした。でも今は選挙があります。誰もが私たちの想いや願いを一票に乗せることができるのです!

 

私たちの社会や将来は、私たちの手の中にあるということを思い出して欲しいです。先人が築きあげてきた社会を、今自分たちの手で受け継ぐときです!” (20代、女性)

中田直志

中田直志【国際・政治・文化】

投稿者の過去記事

【国際・政治・文化】
座右の銘は “風たちぬ、いざ生きめやも”です。
自分の書いた文章が、誰かにとっての閃きの瞬間であったらいいなと思ってます。

日ミャンマー学生会議(IDFC)元スタッフ。現在コペンハーゲン大学に留学中。

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