【あの議員に突撃!】民進党福山哲郎議員に聞いた、あれやこれ:後編

前編は福山議員の大学時代から政治家を志すまでを覗くことができました。

後編は政治家としてのやりがいや議員さんに対する社会のイメージの真相に切り込んでいきます。

前編はこちら

 

【政治家はうさんくさい、は思い込み…?】

cc-library010008404

ーーすごく失礼な話ではあるんですが…政治家になるにあたって、お金が欲しいとか、俗っぽい理由はなかったですか。

 

福:全然ないですよ(笑)。全くないです。政治家は、儲けようと思って儲けられるほどおいしい仕事じゃないですからね。そりゃ、全然お金がかからなくて、出馬してあっさり勝てるんだったらみんな政治家やります。でもそんな甘い世界じゃないんですよね、選挙って。それに、当時僕らは政権与党の金権体質とか、政治とお金の問題、スキャンダルとかをさんざん見てきていたので、お金とかの話について言えば、そういういわゆる「汚れた」政治はダメでしょと思ってましたしね。

 

ーー大変失礼いたしました…では、そのような厳しい世界で最初は苦労も多かったですか。

20160425朝街宣

↑街頭演説の様子。今も欠かさず大切にしている。

福:多かったですね。さっきも言ったように僕は貧乏だったので、事務所も借り物でしたし、電話やファックス、車ですら知り合いの人に借りたような事務所でした。知り合いもたくさんいるわけじゃないですから、ほんとにマイク1本で、駅前で「私は福山哲郎です」っていう街頭演説から始めたんです。まぁ、最初は誰も聞いてくれないですよね。しょうがないから毎日演説するしかありません。当時、僕は役者の弟がいたんですけど、面白い人で、神戸大学を出たのに途中で役者をやると言って、卒業後に大阪の「劇団そとばこまち」というちょっと有名な小劇場の劇団に入ったような人なんです。その弟が芝居のない時にはフリーだったので、手伝えって言って、手伝ってもらって。弟と私しかいない事務所で、一日一件誰かが来てくれて一日一本でも電話が鳴る事務所にしようねって頑張っていました。普通はそんな人間は選挙に勝てないし、そんなところから選挙始めようって人もあんまりいないんですよ。だから、最初の3年ぐらいはつらかったですよね。

 

ーーこんなしんどいなら、政治家にならなくてもいいやと思ったことはなかったんですか?

20160515後援会事務所事務所開き21

↑後援会事務所事務所開きにて。

福:それは1回もありませんけど、選挙に負けたときなどは、応援してくださる人がいっぱいいたのに、こんな負け戦に付き合わせてしまって申し訳ないなと、自分このまま続けていいのかなとは悩みましたね。

 

ーー最初は新党さきがけに入られて、続いて民主党に入党されたということですか。

 

福:そうですね。当時新党さきがけには鳩山由紀夫さんや菅直人さんがいて、その二人が民主党を作ったわけですから、そこでその二人にお前は民主党来るんだろって言っていただいて、民主党に入党しました。当時はさきがけに残りたい気持ちもあったんですが、武村正義さん、当時のさきがけの代表に相談させていただいたところ、少しでも選挙に勝てる方向で福山さんは頑張った方がいいと言ってくださったので。武村代表とは、いまだにお付き合いもありますし、ご指導もしていただいています。

160404kaiken

↑今現在は民進党で活躍している。

 

【政治家に必要な「素質」は?】

 

 

ーー政治家に必要な素質、ってなんだと思いますか。

 

福:人それぞれなんですよね。はっきり決まった、「これ」というものがあるわけではないと思うんですが、やはり政治家には最低限、社会のため人のためになにが出来るかを考え、そのために突き進む素質が求められると思います。僕は大臣とか役職にあまりこだわらない人なので特にそうなのですけれど、別に自己実現のために活動したいなら政治じゃなくてもいいわけです。そうではなくて、政策として何を実現するかが重要といえます。ですから、自分が何のために政治家をやって、何を実現するかが問題だと思っています。

 

ーーそれが、福山議員にとっては環境問題だった。

160309sdgs

↑SDGs(国連持続可能な開発目標)についての超党派の勉強会にて。

福:そうですね。だからこそ僕は野党時代の十何年はずっと環境委員会にいましたし、世界中の地球温暖化の現場を見に行きました。

ーー環境問題の解決に近づいたな、と思ったことはありましたか。

 

福:鳩山政権時代、首相が世界の大統領や首相の前でCO2を25%削減するといったときに、世界中がスタンディングオベーションで迎えたんですよ。その時は、少しは報われたのかなって思いましたよね。というのも、実はその鳩山さんの国連演説は僕が書いたんです。それは、私が環境問題、地球温暖化のことやってるっていうのを鳩山さんも分かってたので、あの人が総理になったときに「福山さん、このことに関する演説をまとめて準備してください」って僕に連絡が来たんです。当時僕は外務副大臣だったので、その内容を策定して各省庁との調整を全部やりました。環境問題をやるんだって思って十何年やってきて、それがこういう形で結果に出てくるってことはすごいことですよね。それは政治家として最高の醍醐味だと思います。

ph016

↑鳩山由紀夫元首相がニューヨークの国連本部で開かれた国連気候変動サミットにおいて演説内で温室効果ガス25%削減を発言した時の様子。

 

ーーそうした、大きな価値を社会に残せるかもしれない、というのは政治の大きな醍醐味ですね。

 

福:本当にそうです。このような場面に立ち会える政治って、やっぱりすごいと思います。社会のシステムだとか社会そのものに一定の影響を与えることの重さと、それが実際に何らかの効果が出ることによる喜びは、他の職業ではそうそう味わえるものではないでしょうね。福島第一原発事故のあとに、我々は、固定改革制度という、端的には「再生可能エネルギーを増やそう」という法律を策定して頑張っていました。結果として今は野党になってしまいましたが、当時の法律が4年たって、実際に再生可能エネルギーの設備容量が原発18基分増えたんですよね。このわずか4年間で。それはその法律があるから増えるわけです。だから政治っていうのは、たかが政治ですけどされど政治で、すごくダイナミックですよね。そういうことに関われるだけでも本当にありがたいことです。

 

ーーしかし、そのようなダイナミズムの中で、時に課題さえも変わっていく。

 

福:そうです。環境問題の話は、残念ながら今はどんどん話題にされなくなっているので、僕はすごく残念ではあります。でも時間が経ったとしても変わらないですよね、地球温暖化の問題は。僕は野党にいようが与党にいようが環境問題をずっとやってきて、そして今もやらざるを得ないというか、これをやるために政治をやってるので。ですから、今も変わらずに僕は問題意識を持って、頑張っていきたいと思っています。

 

ーー環境問題の視察には今も行ってらっしゃるんですか。

 

福:やってますね。今はなかなか党の仕事も忙しいんですけど、世界中見て歩くのは変わらずやってます。僕らは休みという概念がないですから、野党時代では夏に国会が動いてないときなんかに行っていました。例えば、環境政策を学びにヨーロッパの国を回ったりとか、オーストラリアやフィジーとかの海に沈みそうな島を実際に見に行ったりとか、発火現象をおこしている海のサンゴ礁を見に行ったりとか、モンゴルの砂漠に水が枯渇して川が無くなっちゃってる現場をまで行ったりとか、色々としましたね。

 

ーー休みの日も常に政治のことを考えてたりとかするんですか。

 

福:さすがにそんなことないですよ(笑)。僕だって人間だから家族といるときは家族のことを考えてるし、野球見たら熱くなります。ただ、政治家としての問題意識は常にそこにありますよね。環境問題だけじゃなくて、社会保障の問題もあるし、僕は与党の時は安全保障と外交の担当だったので、そういうこともやらないといけませんでしたしね。いろんな問題意識が常に頭の中にあるのは確かです。

 

 

【真面目で、頑張る政治家もいるということ】

 

 

ーーこれだけ努力されていても、政治家は信用できない、というイメージを世の中に持たれていることについて、どう思いますか。

 

福:もちろん信用してほしいけれど、信用してない人に信用してくださいって言っても、どうしようもないしね(笑)。「こいつは信用できるな」って思ってもらえるように努力し続けるしかないでしょうね。例えばほら、去年から話題になっている兵庫県の県会議員みたいな人が一人、他にも議員さんが何万人何千人っている人の中で、たった一人いましたよね。でも、そのたった一人の、政治家としてあってはならない姿がテレビに流れるだけで「政治家ってあんなもんだ」ってみんなが思ってしまうんですね。この状況は、あまり健全な状態じゃないと思いますし、一生懸命やってる政治家にとっては気の毒でしょう。

 

ーーやはり、真面目な政治家さんが多いですか。

 

福:多いですね。僕が秘書をやっていた県会議員なんて、月に1回地元の人を集めて火の用心とか電気は切れてないかとか、子供は夜出回ってないかとかゴミが落ちてないかとか、夜中にずっとパトロールだって言って何人か地域の人と歩いて、そういうことまでやっていました。他にも、子供たちの通学路を毎日見守ってる県会議員とか、まじめに頑張ってる人はいっぱいいます。

 

ーーどうして、「1人のイメージで全体のステレオタイプが決まってしまう」ようなあまり健全でない状況が生まれていると思いますか。

6bac08fa789714b72d45463a42ef68b0_s

福:メディアの発信の仕方であったり、世間がメディアの情報をどう受け取るか、ですかね。まあでも政治家は公人なので、公人が何かすればメディアに取り上げられるのはしょうがないものとも言えます。普通の人が交通事故を起こしても別にそこまでのニュースにはなりませんが、公人が交通事故を起こしたらニュースになるのは当然のことです。だけど、公人でも1人がしたからといってみんながみんな同じことをしているわけじゃないし、そのように、印象だけで物事が進むのはよくないと思っています。

 

 

【魅力ある議員、すごい議員がいる!】

 

 

ーーいい意味でヤバい政治家、すごい政治家さんっていますか。

 

福:選挙に勝つって、それだけですごいですよ。だって魅力がなかったら選挙勝てないですからね。何万人の人に名前を書いてもらうってすごいことですよ。それに、風とか時のブームとかに乗って勢いだけで議員になっちゃう人にはすぐ消える人が多いんですけど、何年もやってる人はそれなりに魅力的な人が多いです。頭がいいとか賢いとかだけじゃないんですよ、人間的な魅力ってね。色々なタイプの政治家がいることで、政治に幅ができて良いと思っています。いろんな魅力を持った、いろんな政治家がいていいんですよ。

 

ーーその中で、あえて名前を挙げるとすれば誰ですか。

kv03

↑後述の山尾志桜里衆議院議員。

福:そうですね。あえて挙げるとすれば、小泉進次郎さんは若いのになかなかのやり手だと思いますし、うちの党(民進党)で行くと山尾志桜里さんって言ってまだ若い40前くらいの女性がいるんですが、この方もとても魅力的な方です。この方は学生時代にミュージカルの主演をして、そのあと勉強して東大行って、なんと検察官にまでなってるんです。それで今は衆議院議員をやっていて、まだ当選2回か3回だけどすごく素敵な女性です。政策もすごくよく分かってらっしゃいます。他には、最近よくテレビに出てる玉木雄一郎くんも面白いですね。彼はうちの党の2期生ですが、大蔵官僚から政治家になった方です。この方は、香川県っていうどちらかというと保守の強いところでずっと勝ってきていて、これもなかなか先々面白いですね。政治家って色んな人がいますよ。

51c80efb06300

↑前述の玉木雄一郎衆議院議員。

ーーそんな魅力的な方がたくさんいる中で、ご自分の魅力は何だと思いますか。

 

福:うーん、何でしょう。でも自分が偉いんだと思ったら間違いますよね。自分が偉いんじゃなくて、京都の人が自分を応援してくれてることで、僕はたまたま政治家やれているわけですから。だから、自分を育ててくれた京都の人にはずっと感謝しなきゃと思っています。そういう素朴なところが、意外にそうなんじゃないでしょうか。

 

160401朝街宣

↑今でも自分を政治家まで押し上げてくれた京都の方々への思いは格別。

ーーありがとうございます。ところで「ここまで議員をやりたい」というのはありますか。

 

福:僕は、70歳とか80歳まで議員をやるつもりは全くありません。でも、出来るうちはやっぱり仕事をしていたいですし、それこそが有権者に対する恩返しだと思っています。それに、政治家になって思うこととして、若いから出来ることと、年数経てから出来ることって、やっぱり違うんですよね。例えば、さっき言った世界中の温暖化の現場に、お金も時間も自腹を切って行くとか、そんなことは、若い議員だからこそできることです。それで、だんだん年を重ねていけば、今度は仕事の役職上の重みもついてくるから若い時のようにはいかないことも増える一方、年月のうちに、いろんな人とのネットワークが連なり重なっていく中で、自分が「やれる」ことも多くなっているのかと思います。

 

ーー役目は、それぞれの時期にあると・

 

福:はい。そんな風に、やれることが違うからこそ、両方とも必要なんですよね。ちょうど今、僕はその両方を感じてきているところなので、仕事としては今が一番面白いかなあと。そんな風に思っています。

 

 

【「やりたいこと」は広く大きく】

 

 

ーー今後のビジョンを教えてください。

160218shigaku

↑私学の学費負担解消を求める院内集会にて。

福:それは前にも言ってますけれど、せっかく地球温暖化の話を進めたのに、今は政権が変わって、少し停滞しているので、それはもう与党になった暁には間違いなく進めたいです。また、脱原発も将来的には必ずやりたいと思っています。若い人に関わる話で言えば、例えば、高校の無償化については所得の制限をなくしたいですね。大学に関して言えば、奨学金を全部給付型にするというのは厳しいと思いますが、何割かは給付型であとは貸与というようにバランスが組めるような形にして、大学生なり専門学校生なりの皆さんがより勉強しやすい環境を整えるっていうのも、やりたいことの一つです。

 

ーー若い人の学ぶ環境を整えたい、というのも以前からの意識だったんでしょうか?

 

福:そうですね。自分はわがまま言って政経塾みたいなところに行くことが出来たわけで、だからこそ、スリランカに行ったり京大の大学院にもう一回行き直したりとかができたわけです。そういうチャンスをより多くの若い人たちに与えることで、彼ら彼女らが新たな問題意識を持って、日本だけじゃなく世界に貢献する人材になってもらいたいというのは常々思っています。我々が政権の時に高校の無償化や子ども手当などの制度を整えたのも、若い世代に学ぶ環境をきちっと用意したいという考えがあったからで、そこは今も全然変わらないですよね。

 

ーー最後に、かねてからの願いである、環境問題の解決は成しえると思いますか。

 

福:正直なところ、難しいと思います。例えば、地球温暖化の問題について言えば、もしかすると50年後まで同じ問題が残っているかもしれないわけです。当然僕はその時には政治家をやってないわけですし、やっている間に解決するような問題でもありません。だからこそ、ある程度仕組みを作ってレールを引いてから、次の世代にバトンタッチしないと解決しないわけです。そのバトンタッチするための仕組みやレールをいかに作っておくかというのは、僕みたいに温暖化の問題をずっとやってる人間からすると非常に重要なことですよね。そういう意味でも、人材育成の観点で、若い人の学ぶ環境を整えることも大切にしているんです。

 

 

ーー福山議員の志が大いに伝わってくるインタビューでした。お時間とっていただき、本当にありがとうございました。

 

福:こちらこそ、楽しい時間でした。ありがとうございました。

main-img

※本人写真はすべて、公式HPから抜粋させていただきました。

(このインタビューは2016年2月27日に行われたものです)

seizee編集部

seizee編集部

投稿者の過去記事

当メディア『SeiZee』の編集部です。
「読んだらちょっと、考えちゃう」をテーマに記事発信しています。

昨年末から、モスク、競馬場などへのインタビューに力を入れています。

ピックアップ記事

  1.  大学の新学期2017年度がはじまり一月ほどが経った。 新入の学部生、まず、おめでとうございます…
  2. 出町柳駅すぐのバス停で、バスに乗り、ゆられること30分。そこには都会の喧騒から離れた、自然が豊か…
  3. 4月、出会いの季節。今年も多くの新入生が、大きな期待を胸に大学へ入学した。&nbsp…
PAGE TOP