参院選の総括、新聞各社の論調は?【社説比較】

社説は、新聞各社の「本音」が現れる場所と言っても過言ではありません。

事件や情勢の解説記事となることが多い社説ですが、その論調やスタンスは新聞各社により異なります。

メディアリテラシーの重要性が叫ばれる昨今。

各社の社説を比較することは、情報を客観的に判断し取捨選択する力をつけることができる絶好の方法と言えます。

(なお、デジタル版掲載の有無に関係して、今回は4紙の社説比較を行っています。)

2016年度初日、新聞各社はどのような社説を掲載したのでしょうか。

社説本文は、各新聞のデジタル紙面版でお読み下さい。

==========

朝日新聞 2016年7月11日

自公が国政選4連勝 「後出し改憲」に信はない

 首相は憲法改正について、選挙前は「自分の在任中には成し遂げたい」とまで語っていたのに、選挙が始まったとたん、積極的な発言を封印した。それでいて選挙が終われば、再び改憲へのアクセルをふかす――。首相は自らの悲願を、こんな不誠実な「後出し」で実現しようというのだろうか。

憲法改正案の国会発議が可能となる3分の2議席が、改憲に前向きな議員で締められたことを「いまの憲法のもとでは初めての政治状況」で、「まさに戦後政治の分岐点」と指摘する。憲法改正や経済政策などの政策を、与党と野党がそれぞれどういう立場で主張したのかをまとめつつ、改憲への差し迫った重要性はないことを首相自身の言葉を引用しつつ論じる。また、いずれにせよ権力基盤としては強固なものを得たとして、野党側がしっかりと戦い得る姿勢を取らなければ巨大与党の一人勝ちがさらに続きかねないと結ぶ。

出典:こちら

==========

読売新聞 2016年7月11日

参院選与党大勝 安定基盤で経済再生の貫徹を

道半ばにある経済政策アベノミクスを強化し、デフレ脱却を確実に実現してほしい。それが有権者の意思だろう。

国民の票を得て大勝した安倍政権は、まず経済最優先の政策をとるべきだとし、「首相は、アベノミクスが全面的に支持されたと、驕ってはならない。経済再生を成し遂げるまでの猶予期間が延長されたと謙虚に受け止め、丁寧な政権運営に努めることが肝要である。」と指摘する。また、野党の共闘は必ずしも上手く行かなかったとし、各党に現実的で建設的な路線を探るよう求めた。憲法改正については、改憲を進めようとする各党の中でも姿勢に違いがあることを改めて示し、改正テーマの絞り込みが最優先だろうとした。

出典:こちら

==========

000078972_640

 

毎日新聞 2016年7月11日

参院選 改憲勢力3分の2 まず自民草案の破棄を

日本は内外ともに厳しい条件が課せられている。参院選を経て安倍政権は、近来にない強力な政治基盤を獲得した。その恵まれた力を、中長期的な改革にこそ生かすべきだ。まず、消費増税の2年半先送りで崩壊寸前となった税と社会保障の一体改革の枠組みを、早急に立て直さなければならない。

「憲法は国民全体で共有する最重要の合意だ。したがってそのあり方を点検することに異論はない。」としながらも、政権党として冷静な憲法論議の環境を整えるためにも、まず自民党の憲法草案は破棄した方がいいのではないかと幾つかの視点から比較的冷静に主張している。また、安定した政権基盤のもとだからこその中長期的な視点を持ってしっかりと財政・外交などの政策に取り組むべきと指摘する。結びでは18歳選挙権にも触れ、「決して成果を急がず、若者たちの政治への関心を、じっくりと社会全体で育んでいきたい。」とした。

出典:こちら

==========

日本経済新聞 2016年7月11日

改憲より先にやるべきことがある

改憲の議論を進めていくのが必要なのはもちろんだが、改憲を最優先の政治課題として取り組むかどうかには疑問がある。安倍晋三首相自身が認めているようにアベノミクスは「道半ば」である。ここはまず経済再生に政権の力を集中し改憲は議論段階として取り組んでいくのが適当だ。

文章の多くを憲法問題についてに割いた。自民党が大勝しつつ「改憲」を争点に掲げなかったことを指摘し、むしろ改憲に踏み込みづらくなる「改憲の罠」に陥りかねないとした一方、得票を伸ばすことができなかった民進党など野党は「護憲」を押し出しすぎたことで票を集めきれなかったという議論を展開する。また今後の政権運営についても、自民党の改憲草案を「保守色が濃すぎてとても多くがのめる代物ではない。」とまで表現して一蹴し、選挙勝利に浮かれてあれもこれもと手を出すのではなく、経済政策に政権の力を集中させることが大切と説く。

出典:こちら

==========

産経新聞 2016年7月11日

政策なき「野合」は否定された 直面する困難を克服するため強い政権の継続が必要だと有権者は判断したのだ

厳しい現実を包み隠さず国民に説明し、理解と協力を得るべきなのは、あらゆる政策に共通する。強力な基盤を得た今こそ、覚悟を示し、行動に移すべきである。

野党を「国際情勢を無視した非現実的な主張だった」と手厳しく批判する一方、自民党については「政権政党として詳細で実現可能な政策をどれだけ提示できたかといえば、大いに疑問」とし、未だ厳しい状況にある経済状況に危機感を持って取り組むべきだと強く主張している。TPPの承認や消費増税の延期などについても「大きな懸念は改革の覚悟が見られぬことだ。」とし、アベノミクスの成果への過度な楽観は控え、現実を直視して「身を切る改革」に取り組むべきと論じた。

出典:こちら

 

画像の出典:http://news.tv-asahi.co.jp

seizee編集部

seizee編集部

投稿者の過去記事

当メディア『SeiZee』の編集部です。
「読んだらちょっと、考えちゃう」をテーマに記事発信しています。

昨年末から、モスク、競馬場などへのインタビューに力を入れています。

ピックアップ記事

  1. トランプや安倍総理の言動や移民問題、ヘイトスピーチに沖縄の基地問題、今では森友学園の話題など、現在の…
  2. 「日本が好きだ。当たり前だ。日本に生まれて、日本で育った。だって僕は日本人なのだから。」…
  3. 類聚=同じ性質・種類のものを集める前回少し平安時代の話をしましたが、平安時代の古典には「○○類聚…
PAGE TOP