就活生よ、解禁時期に惑わされるな

11月を迎え、2016年卒業予定の学生の就職活動も、そろそろ終わろうとしています。

今年の就活の最大のトピックは、何と言っても採用解禁が3月から8月へ後ろ倒しになったことでしょう。

就活支援サイトのマイナビによると、今年の採用活動時期の変更について、回答した学生の79.3%がマイナスの影響があったと答えました。「学業の妨げになった」「就活期間が長くなった」などが主な理由です。

 

10月22日付マイナビニュースより

10月22日付マイナビニュースより http://news.mynavi.jp/news/2015/10/24/067/

 

後ろ倒しは、所属企業の採用解禁時期を決める経団連に対して安倍政権が「学修時期の確保、留学等促進」を理由に提案したことがきっかけでした。結局、学生の回答によると後ろ倒しは裏目に出てしまったようです。

来年の就活に関しても、早くも混乱が生じています。経団連は11月7日、来年度の採用活動解禁を6月に早める方針を固めました。すでに夏季のインターンシップを終えた学生や企業の対応は、おそらく間に合わないでしょう。

ここまでの経過を見て、僕は思いました。

 

採用解禁の時期なんて、どうでもいいんじゃん。

 

確かに、3月解禁は大学4年目の上半期をほぼ就活に捧げることになります。しかし、8月解禁になっても解禁時期を守らない企業が続出し、就活自体が長期化しました。

この現状を引きずったまま6月解禁にしたところで、また就活のために大学生活が犠牲になることに変わりはありません。

学業との両立を考えたとき、就活の時期はどうでもいいんです。変える必要があるのは、時期ではなく就活自体のかたちです。

 

新卒一括採用は悪くない

 

現在の就活の一般的な制度は「新卒一括採用」です。企業は一定の期間中に試験や面接などの採用活動を行い、次年度卒業予定の大学生はその期間に合わせて、在学中に就職活動に励みます。

でも、新卒一括採用の制度は大学生が参加しなければ成り立ちません。大学生が新卒採用のために就活をする理由は、卒業後すぐに「正社員」という肩書きを得られるからです。

正社員とは文字通り、ある企業で働く正規の社員のことです。出勤/退勤の就業時間や給与額、社内の配属などが決まっており、契約期間に限定はありません。つまり、福利厚生を含めた労働環境が安定していて、たいていは定年退職まで仕事が保証されるということです。

対して、契約社員やアルバイトなどの非正規社員は、一般的に就業時間が短く、契約期間は限定されます。もちろん非正規社員から正社員となるケースもありますが、安定性に大きな差があります。

一般的にこの正社員の安定性を求めて、大学生は新卒一括採用型の就活に参加します。

今年の就活について調べていると、この正社員/非正規社員の格差や新卒一括採用が問題とする意見を多く見かけました。

僕はそうは思いません。むしろ、その意見は的外れです。

確かに労働環境の格差は是正されるべきですが、キャリアアップを志す人にとって非正規社員の待遇はかえって好都合なこともあります。

それに、一括採用がなければ、企業にとっては人材確保が難しく、学生にとっては卒業後の生活に大きな不安が残ります。

新卒一括採用の制度自体を無くせというのは、非現実的でしょう。

 

後ろ倒しの(数少ない)成功点

 

苦言ばかりもあれなので、採用解禁を8月にしてよかった点を考えましょう。

後ろ倒しで混乱が生じた原因は、おおまかに言えば8月解禁より先に実質的に採用活動を始める企業が続出したことです。

早くは大学3年(2014年)の夏季インターンシップから採用を始めた企業もありました。その後の秋季・冬季インターンに続くリクルーターによる青田買い、解禁後も内々定を出した学生に対して就活を終われと迫る「オワハラ」や面談、懇親会などを名目にした囲い込みなど、全体の就活時期は結局1年間以上になりました。

この中で、成功した点と言えるのは「青田買い」のための企業側の働きかけです。

インターンシップはそもそも学生が具体的な労働環境を知るためのもので、とても貴重な機会です。今年は就活支援サイトが「大学3年時のインターン参加が重要」と発破をかけたこともあり、複数のインターンシップに参加する学生が増加したそうです。

リクルーター制のようなマンツーマンに近い形の選考は、多人数の面接や試験に比べて、学生と企業のマッチングを深めることができます。就職後のトラブルを避けるためにも有効でしょう。

解禁時期を守らずとにかく学生を囲い込むのは改善されるべきですが、企業側の働きかけは今後も重要なものになります。

 

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