国籍、性、文化…様々な分断を目にした1年【大間千奈美】

 

SeiZeeアドベントカレンダー企画9日目です!

9月からseizeeでwriterをさせてもらっている大間千奈美です。大学二年生で主専攻はジャーナリズム、マイナーとして政治学や国際関係論を学んでいます。

自分の中のビックニュースと言えば8月からアメリカのインディアナ州、リッチモンドに留学させてもらっていることなのですが、日本のニュースを見ていても世界のニュースを見ていても3つには絞り切れないほどたくさんのできごとこの1年間にあったなとふりかえっています。

たくさんのできごとの中でほんの、ほんの一部が大きな主要メディアのヘッドニュースになる一方で同時にどれだけ伝えられなかった声があったことかと。

原稿を書きながらしつこく、でも何度でも思い出す必要があるのかなーとも感じています。

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media truth by leemarej

 

3位 4月 統一地方選挙

 

4年に一度の統一地方選。95年生まれの私にとっては初の投票権を持っての選挙でした。

2003年に東京都世田谷区議会議員に初当選した無所属の上川あやさん、彼女は世田谷区議選で4期連続の当選を果たしました。以前彼女に話を伺う機会があり、今回の選挙の結果にも注目していました。彼女に出会ったことが私にとって初めて体の性とは別にインナーセクシュアリティについて考えるきっかけになった出来事でもあります。

彼女が涙ながらに語ってくれた言葉の中にこんな言葉がありました。

「女性のみなさん、朝起きて自分に男性器がついていたらどのように感じますか。今日だけじゃない。その違和感を毎日抱えながら生きている人がいるのです。」

心の性と体の性は必ずしも一致しない。性のアイデンティティが世界中みな2つに分かれ、例外はないというステレオタイプを考え直すきっかけになった出来事でした。

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ジェンダーニュートラルバスルーム

現在アメリカのインディアナ州で生活をしていてインディアナ州という比較的保守的な地域にも大型の施設に行けばジェンダーニュートラルバスルームを見つけることができることができます。男性、女性、その中間、そんな一直線上に収まるほど性の在り方は単純でしょうか?

性を表す言葉は無数にあります。レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(心と体の性の不一致)の頭文字を取った、セクシャルマイノリティの人々を指す言葉LGBTに加え、Queer、Asexual、Cisgender、Pansexual など。どうしてこんなに性の捉え方に個性があるのだろうと思うのと同時に当たり前かとも感じるようになってきました。自分はどうなのか、自分の性の個性は何なのか、自分のインナーセクシュアリティに向き合うことから理解が始まるのかもしれません。

 

2位 チベット仏教僧の訪問

 

10月19日から23日までの5日間、インドから来たチベット仏教の憎6人に会う機会がありました。Presentation and Dance ; Story of Tibet というイベントではチベット独立を求め焼身自殺した人々を祈る場面もありました。

学生がチベット独立を求め焼身自殺をした人々の写真を手にしている

学生がチベット独立を求め焼身自殺をした人々の写真を手にしている

自分が通っている大学のキャンパスには5人のチベット出身の生徒がいます。国際的なステータスとしては難民であるため、他国のパスポートをとるために1年以上申請を待っている者も。現在チベットが独立できない状況を生み出している理由は1949年中国人民解放軍(PLA)のチベット侵入にさかのぼります。イベントには多くの中国人の学生も参加し、スライドに杭付けになっている場面を目にしました。

最後に集合写真を撮ろうと参加者が席を立ったとき中国出身のシニアは何も言わずに互いに抱き合って、写真にも写らないで会場から去っていったのが印象的でした。

同じキャンパス内で学び、中国の学生とチベットの学生と同じテーブルでにぎやかにともに食事をしている姿も、同じチームでサッカーをし、勝敗を共有している姿も目にします。

 11月に入ってパリのテロをはじめ、世界、地域で起きている差別に目を向け、ソーシャルジャスティスを啓発するという目的で様々な学生主体の啓発キャンペーンが行われた際には、free Tibetという言葉も見受けられました。その言葉を前に1年生の中国人の学生に「どう思う?」と聞かれ、彼女はここに来るまで考えたこともないと言っていました。「中国は50以上もの民族が共存している。チベット人だけではない。」「中国はチベットに鉄道を引いて発展させたという事実もある」といい、「honestly, I cannot agree」と。

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“Free Tibet”

彼女の発言からは何の悪意や憎しみも感じなかったけれど同じキャンパスで生活しているチベット難民の視点が明らかにかけているのではないかと感じました。もしかしたら多くの中国人が同じように考えているのかもしれません。しかし同時にシニアを見ていると4年間ここで生活をすることで考えが変わるきっかけになるかもしれないということも感じます。コミュニティーの多様性がいかに重要かを感じさせられました。

自分も無自覚な無関心が誰かの視点を欠き、生きづらさを生み出すシステムに気づかずに加担しているのではとふりかえさせられた出来事でした。

 

1位 ミズーリ大学学生による黒人差別反対デモ

 

11月、ミズーリ大学のWolfe学長が校内で起きる黒人差別に対して対策を取らないことに抗議した黒人学生がハンガーストライキ、ホームカミングパレード最中にデモを行ったことが話題になりました。

FBなどSNS上には#Mizzou #InSolidarityWithMizzou #Concernedstudent1950 などのハッシュタグを付けた投稿がバズり、レイシストに対する強い抵抗感を感じました。

金曜日の夜となると毎週のようにパーティーに行く学生がこの週向かったのは大学寮から少し離れたハウス。そこでは学生による学生だけの、ミーティングが行われました。

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“Protect Black Students”

そこでは人種差別がどれだけ社会に深く根付いているかということを改めて思い知らされました。ブラックのルームメイトができるまでブラックの親しい友だちがいなかったわたしにまでも、子供のころから目にする広告、映画、TVなどすべてに影響され深く深く印象付けられる彼らへの視線があると。

「歩き方、食事の仕方、リズムの取り方になど彼ら独自のブラックカルチャーがある。それらに対する差別が構造の中にある社会で生きる白人はみなレイシストというカテゴリーに入る」とアフリカンアメリカンを専攻にする学生が発言。それに対して白人の1年生が「どうして全員なんて言うのか?」と抗議する場面がありました。その1年生に対しシニアは「what did you do for black?」という言葉を口にし、それを言われた1年生は言葉を失っていました。そのシニア曰く意識的に行うのは差別、レイシストはカテゴリーなのだと。

「街を歩いているだけでさえも、恐怖を感じることがある。差別がフィジカルは暴力につながるニュースは毎日絶えない。生まれたときから自分を見る白人の目が自分を縛っている。すべてにおいて生まれたときから差別を受ける対象なんだ。」とリズムを刻みながら訴える学生も。自分はどんな差別をしているのかと本気で考えさせられました。ブラックが聞く音楽に緊張を感じ、白人が聞く音楽を嗜好する自分がいる。もちろん一概には言えません。しかし、ブラックの言葉を聞くことを通して、無自覚な差別意識が私の中に確実にあることを思い知らされるような経験でした。

 

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黒人差別など、社会的不平等に目を向けるために行われた学生主体のキャンペーンの一部。食堂でのデモ。

 

アメリカだけではない。どの国にも、日本にも多様性はあり、人それぞれさまざまなバックグラウンドがあります。他人が理解することは難しいこと。それを心に留めながらも、丁寧にひとりの視点に立てるように心がけようと思います。

毎日新しいことを吸収しながら心底感じるのは「やっぱり新しいことを知ることはとっても面白い!」ということです。わくわくします。

みなさんにとって今年がもっとわくわくした年になりますように。

(アイキャッチ 引用元 https://www.facebook.com/leemarej.artist/)

 

大間千奈美

大間千奈美【社会・人】

投稿者の過去記事

現場に近づき、そこで生きている人の声に耳を傾け、伝えられるようなジャーナリストになりたいです。
若者のひとりとして、書くことで自分も、欲を言えば世の中も、変わることがあると本気で考えています。
貧困、差別、都会と地方、多様性、などが関心領域。サステナブルという言葉の響きが好き。

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