ITは田舎のおばあちゃんを救えるのか?

 

本日お届けするのは、東京に恋い焦がれるIT好き大学生が、新潟のド田舎に滞在した際の体験記です。

過疎地域だけど活気溢れる街!?、新潟県十日町市

 

皆さん、新潟県十日町市ってご存知ですか?

ちなみに私は全く知りませんでした。

おそらく初耳の方も多いと思いますので、wikipediaさんを参照しておきます。

新潟県十日町市

十日町市(とおかまちし)は、新潟県の南部にある市。市の中央を日本一の大河である信濃川が流れ、十日町盆地とともに雄大な河岸段丘が形成されている。市の南部には日本三大渓谷に数えられ、上信越高原国立公園の一部である清津峡、西部には日本三大薬湯のひとつ松之山温泉がある。日本有数の豪雪地帯として知られていて、冬には2m~3mの積雪となり、特別豪雪地帯に指定されている。……

ー Wikipediaより(https://ja.wikipedia.org/wiki/)

・・・一文でまとめると、

「コシヒカリの産地として名高い新潟県南部にあり冬は毎年2m以上の雪に覆われる、過疎化・高齢化の真っ只中にある街」

そして、こう紹介されると、暗くどんよりした町をイメージなさるかもしれないのですが、実はそうでもなかったりします。
と言いますのも、十日町市には、となりの津南町を合わせた越後妻有一帯で3年に1度開催される世界最大級の野外アート展、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」が在るんです。

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」とは

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭です。農業を通して大地とかかわってきた「里山」の暮らしが今も豊かに残っている地域で、「人間は自然に内包される」を基本理念としたアートを道しるべに里山を巡る新しい旅は、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めています。

- 芸術祭オフィシャルページより(http://www.echigo-tsumari.jp/

地域の人・ものを巻き込んだ「大地の芸術祭」によってまち全体が活気に溢れているんですよ。ほんとに。

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廃校になった学校を使った展示

そして、私は、この明るい課題先進街に、とある会社の短期インターンシップで訪れることになりました。

百聞は一見に如かず :「おばあちゃんがアプリを使うイメージが持てない」

 

インターンシップのお題は

「大地の芸術祭を持続可能にするビジネスモデルを提案せよ」

と、よくある「新規事業立案系」のものでした。

ITおばあちゃん

私自身、大学院生や高校生に向けたアントレプレナーシップ(新規事業立案)プログラムに携わったり、就活生として何社かインターンシップに参加しましたが、最終的にて提案される事業はいつも半数以上が○○サイトや××アプリなどのIT系サービスでした。

スマホ世代とも呼ばれ小さい頃からPCや携帯に触れてきた現役学生にとって、何かを解決する方法として「こういうアプリがあればいいんじゃないか」と思うのは当然のことでしょう。

ところが、やり始めてから分かった事ですが、今回のインターンシップはそうはいかなかった。
いつものインターン通り、「こういうアプリがあればいいんじゃないか」までは思いつくものの、
実際に、芸術品を解説してくれたおばあちゃんや農作業体験で熱くご指導下さったおじいちゃんが、そのアプリを使うイメージがどうしても持てなかったんです。

他の参加学生もそう感じていたのか、最終発表6案のうちIT系サービスは1つだけでした。

まさに「百聞は一見に如かず」

都会にこもった価値観じゃ、彼らを救えない事に気がついた。
実際に目で見て、耳で聞いて、肌で感じることって本当に大切なんですね。

ITのおかげで便利になっている人って?

 

上述の気づきは、ITに無限の可能性を感じていた私にとって、少しショッキングな出来事でした。

だって、IT系サービスって、どこにいる人にでも、平等に、使ってもらいやすいようにつくられてるはずなんです。
洗練されたUI(User Interface)やUX(User Experience)ってそのためにあるもんだし、基本は言語さえ変えてしまえれば海外の人にだって使ってもらえるんです。

そもそも、地理的格差をなくせる(遠くのたくさんの人に同じ情報を届けれる)ことが、インターネットの魅力ですからね。

でも今回の事を通して、

それってうまくいってるのだろうか?

・・・と思わずにいられなくなりました。

例えば、どんな遠くにいる人にでも仕事を依頼できるはずの「クラウドソーシング」。
どんな場所でも仕事ができるのだからUターンやIターンが進むのかと思いきや、別にそうでなく、首都圏の人から首都圏の人に依頼する案件が多いのではないだろうか?
実際、首都圏外のユーザーを確保するのに困っているという声を耳にします。

そして、これは実は「クラウドソーシング」に限ったことでなく、東京発の「人材サービス」や「グルメサービス」でも首都圏のユーザーがほとんどだとか。
どおりでIT企業が東京に集うわけです。納得。

一番ITの恩恵を受けているのは、一番周りに人が多いはずの首都圏に住む人だったりするのかな?

ITは田舎のおばあちゃんを救えるのか?

 

多分今後もIT系のサービスは「人が多い」場所の問題を解決していこうとするんだと思います。

首都圏・東京、その次は人の多い海外へ。

田舎では人がいなくなっていく一方ですが、それでも、

土地、古民家、美味しい食物、土地に根付いた名産品、おばあちゃんの知恵、

「もったいない」ものはたくさんあるんです。received_737640126371797

ITによって、首都圏だとかの「困っている人が多い」ところの問題が解決されることは、ある種当然のことだと思います。

だって、使ってくれる人が多くないと儲からないですし。
でも、「もったいないものが多い(多くなっていく)」地方のものを活かすことも、ITできる事であって、これからの日本に必要なことではないでしょうか。

例えば、新潟県十日町市を救ったのは「芸術」だった。
大地の芸術祭を見て、感じて、人生で初めて思いましたよ。「芸術ってすげぇな」と。

ITに魅了されている若者としては、「ITってすげぇな」と田舎のおばあちゃんに思ってもらえる日を心待ちにしています。

 

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株式会社アイスタイル インターンシップレポート

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