あの日から五年、今度は自分から宮古をつくっていく。

こんばんは、武田彩です。
2011年3月11日の東日本大震災から5年。

当時は何もできなかった子どもたちが今、
高校生や大学生になり、様々な形で地元のため、東北のために活動をしています。
そんな成長した彼らの『今』を、等身大の言葉で語ってもらうために、インタビューをしました。

今回は宮古の吉浜知輝くんです。

2011年3月11日のあの日、彼は小学6年生。現在高校2年生の大の地元好きの男の子です。

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「あ!これが津波か!」

――震災当時どうしてましたか??
海から5キロほどの高台にある家は無事で、 停電や断水も4日程で復旧し、被災地だけど被災した記憶も特になく、
「大変なことが起きたんだなー」 ってかんじの他人事にしかとらえられなかったです。
1週間後、家族で知り合いの商店街の泥だしの手伝いをしに行ったら、 船が突っ込んでたりぐちゃぐちゃになった商店街を見て、
「あ!これが津波か!!」 と、震災が自分事に思えない自分にショックを受けました。
でも、学校が始まれば、特になにをすることもなく毎日変わらない毎日を過ごしていました。

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「自分は被災していないのに何もしていない…」

――ごく普通の中学生活だったんだね。何かしよう!と思い始めたのはいつ?
高校に入学後、仲良の良い友達5人のうち3人は被災し、 特に2人は父を亡くしていることを知りました。
辛い話は特にしないけど、自分より遥かに辛い思いをしてたり、そんなドキュメント本を見て、
「自分は被災していないのに何もしていない・・・ 被災してない自分だからこそ、 今何かするしかない!」 という衝動に駆られました。
高校生になる中で、震災のことを身近になってきて、いろいろ考えるようになってきました。
それと同時期に両親と兄の勧めで、みやっこベース(*1)に見学に行きました。
そしたら、元気なたくさんの先輩たちがカッコよくて、自分もそうなりたいと思って加入しました!

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「やってもらうのが当たり前じゃない。これからは自分たちからやっていかなきゃ」

――なるほど!高校生になる中で、震災のことを身近になってきて、いろいろ考えるようになってきたんだと思うんだけど、その時の宮古ってどんな感じだったの?
宮古では被災者が 「まだやってもらうのが当たり前」 という風潮がずっとあった。
「でも、そろそろ違うんじゃない? これからは自分たちからやってかなきゃいけないし、変えていかなきゃいけない。 それを大人にも高校生にも伝えていかないと、 このままだったら宮古がだめになる!」
そう思い、 「高校生でも地域を変える力はあるはず! だからこそ高校生ならではのアイデアで、大人や高校生の枠を超えて一人一人の人間として活躍していこう!」 と思うようになりました。
周りの友達も「宮古つまんねー」って感じだったんです。それはせっかく復興復興って言ってるのにもったいないなって思いました。
これからを担うのは高校生だってことは皆わかってる。
けれど宮古好きかって聞かれたら多分25%くらいしか好きって答えないと思います。
それはイオンない、祭りつまらない、スタバない・・・ とりあえず盛岡出たい。
でも僕は「スタバ呼ぼうぜ!」って考えなんです。
地元企業が生かせるレジャー施設とかができれば・・・将来作れればって思ってます。

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宮古の人とモノがあふれるイベントを

――ほー!かっこいいね!その中で今一番頑張ってることってなに!??
やっぱりイベントですね。
音楽イベントとか一つのイベントではなく、音楽も食も体験もたくさんあって、尚且つ宮古の人とモノを使って若者が行うイベントです。
あらわすのは難しいけど、 高校生が運営もスタッフもする、高校生が作り上げるイベントです。

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――どれくらいから動いてきたの??
準備は1年前から初めて、最初は市内のイベントに出展して経験を積んできました。
そこから昨年の12月から本格的にイベントを作るために動いてきました。 だから短期間で超忙しく準備してきました。

でもこれを通して高校生だからこそ出るアイデアを生かして、高校生でも、年齢の枠を超えてこんなこともできるんだよ!っていうのを伝えたいです。

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宮古にいる人が好き

――なるほど!本当に宮古のこと好きなんだね!宮古への愛を語って!
やっぱり人です。
僕が宮古好きって言うと、「地元愛」って何?ってよく聞かれます。
「愛」って表しにくいけど、宮古にいる人が好きだから、その人が作ったものだからこの料理美味しいって思うし、このサービスいいなって思う。
だからすべてを生み出しているのは「人」 だから宮古の人が好き。

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――いいね!宮古の人って宮古好き好きってすごい聞くよね。いいねー。実際宮古ってどんな場所なの?
宮古市は合併を繰り返してるので市として全国的にも大きい方です。
合併を繰り返している分地区ごとの意識もあるけど、宮古市が好きです。
それに、自分達がやりたいことに対して見守ってくれる人が多いです。
そもそも自分達の活動目標は地元愛を育み、地元で貢献したいという思いを増やして、人口流出を防ぐことです。
これは大人たちも同じことを考えているので、活動も地元にとってニーズがあります。 むしろ市長さんも応援してくれる環境です。

ただ活動以外でだめだなって思うのは、市役所の移転がなかなか決まらないことです。
行政の動きが遅いし、市議会に年配者が多いこと、若者が引きずりおろすくらいの勢いがないことが問題だなって思います。
だからこそこの町で育った人間として、いずれ帰ってきてみんなで変えていきたいです。

活動をし始めたときは、ただイベントをしたかった。
けどだんだん高校生に火をつけてみんなで変えていきたい、みんなを変えていきたいと思っています。
団体のメンバーも30人以上になり、イベントだけでなく、世代間交流や防災教育、特産品づくりなど新しいプロジェクトも進みつつ、山田など他の地域にも活動の広がりが見えています。

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いよいよ受験

――吉浜勢力広がるねー!吉浜は今高校2年生か!これから受験生!?どうしていくの??
これからはイベントを後輩に受け継ぎ、受験生になります。
大学は山形のほうに進学して公益学を学びたいと思ってます。
地域貢献マーケティング論など、地域を変えるための企業論などを学んでみたいと思ってます。
この前教授さんと話したら、自分のやりたいことが学べそうだからいいなって思ってます。
卒業して就職して学びつつも30歳前には宮古に戻って起業したいなって思ってます。
今度はETICのMAKERS UNIVERCITYのU-18に行きます。
大学生になってからもMAKERS UNIVERCITYに行って勉強したいです。

今年の3月11日の今日は 自分の活動を始める半年前にボランティアでつながった人との縁で、被災地で活動している高校生として、青山学院に招待されて、お話しすることになりました。

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東北に遊びに来てほしい!魅力は自分たちが作ります!

――Skypeを通してだけど、目がキラキラしてるのが伝わってきました。 一言最後に!
僕は宮古で生まれ育ち、 宮古の人が好きで、その好きな人が作ったものも好き。
幼いころから地元の伝統芸能である創作太鼓を続けてきました。
関ジャニ∞のライブのご当地コラボに出演するほど、太鼓の腕前もばっちし!
そんな太鼓は街づくり、町おこしの一つとして、今もなお続いています。
スタバもイオンもないし、宮古を出たいと思う若者が未だに多い。
でも、なくても宮古には魅力がたくさんあって、 これからは自分たちが魅力を作っていきたい!
「ボランティアはいい。東北に遊びに来てほしい。 魅力は自分たちが作る!だから来てほしい」

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インタビューを終えて

私自身は宮古に行った事はありません。
けれど吉浜の話を聞けば聞くほど、行ってみたいという気持ちでワクワクします。
吉浜の、高校生だからとか大学生だから、大人だからとか関係なくて、一人の人間として、街のために頑張りたい、生まれ育った街に還元したいと思う気持ち。
高校生なのにすごいな・・・熱いな・・・ そう思いますよね。思いました。

私も地元のこと、一人の人間として考えてみようと思いました。

 

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(*1)みやっこベース:宮古の子どもたちの発達支援をするNPO団体。
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武田彩

武田彩【防災・復興】

投稿者の過去記事

防災・支援団体「彩り」の武田彩です。少しずつ災害や防災、そして復興のことを書かせていただきます!なかなか触れない分野だと思いますが少しでも身近に感じてもらえるように、伝えられるように頑張りますので読んでください!お願いします!

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