「失敗」から学ぶ地方創生! ~ゆるキャラを例に~

最近、地方創生の先進地や地域活性化の成功事例がメディアに取り上げられています。
一方、地域を盛り上げようとしても、なかなかうまくいっていないところも多いのが現状です。
残念ながら、私の地元である福島県大沼郡金山町も後者のようです。
休学して地元でインターン中の私が見た「あまり上手くいってない地域活性化」の実態をもとに、今の地方に本当に必要だと思ったことをお伝えします。

 

 上手く活性化できない1つの理由は、費用対効果を考えずに予算を使うことと言えます。
その一例が、古くは「ひこにゃん」、そして「くまモン」や「ふなっしー」が巻き起こしたゆるキャラブームに乗っかろうと、各自治体が2007年くらいからつくり出した、「知名度の低い」ご当地キャラです。

金山町の特産品の赤カボチャと温泉を組み合わせたキャラクター「かぼまる」

 

 金山町も「かぼまる」という可愛いゆるキャラをつくったのですが、「かぼまるに会いに金山に来た」という声や「かぼまるのおかげで金山町の知名度が上がった」という感想は聞いたことがありません。
町に尋ねると、驚いたことにかぼまるが生んだ経済効果については調査していないとのことですが、私の見立てでは着ぐるみ代やデザイン代費用の経済効果すら生んでいません。
これは、事前に「かぼまる」が町に与える影響をちゃんと予測しておらず、マーケティングができていなかったために起きた失敗だと思います。
戦略を深く考えずに、とりあえず町のシンボルをつくろうと作ったと推測できますが、この見切り発車と、そのあとのテコ入れ不足は問題と言えるでしょう。


もちろん
、悪い面だけでなくいい面もあります。
かぼまるは地域のお年寄りや子どもたちには人気があり、他の地域にPRに行ってもキャラクター自体は人気です。

 

 ただ、私が役場に問い合わせたところ「かぼまる」は、関連グッズなども含め約360万円も予算をかけているそうですが、そんなにお金をかけてつくる価値があったかと言われれば疑問符がつきます。
仮に町の観光のPRではなく、象徴をつくろうとしたのであれば、「かぼまる」である必要は必ずしもありません。
例えば、金山町には、伊勢志摩サミットでも卓上に並んだ天然炭酸水を筆頭に、町として誇れるものは沢山あります。

金山町の天然炭酸水

 

わざわざ、つくっておきながら、それがどの程度の効果を生んだのか調査もしないというのは、いかがなものでしょうか。

こういった「とりあえずつくった」という失敗や「つくったあとの利用下手」という問題は、金山町のゆるキャラに限らず、記念館や道の駅といったハコモノなどにも言えることだと思います。
残念ながら、金山町に限ったことではないでしょう。ひょっとすると、皆さんの地元でも同じようなことが起きているかもしれません。

 

これ以上、こういった企画を増やさないために、役所で働く公務員や自治体の長の意識改革と、住民と議会による厳しいチェックが必要です。
例えば、専門家を交え町民全員で町の政策や予算の使い方を考える町民ワークショップなどを行うのも一つの手でしょう。
人口が少なく世帯数が少ないということを活かせば、町民ワークショップのような直接民主主義ができると思います。直接民主主義のいいところは、必然的に全員が当事者意識を持つことです。
町民全体が町の現状に危機感や問題意識を持つということは、誰かが町を良くしようと何かアクションを起こした時に、理解が得られやすかったり、協力体制が構築しやすかったりします。

 

また、希跡の村といわれる長野県下條村のように、公務員を民間へ研修に派遣し、民間のように厳しいコスト意識やスピード感、効率性などを重視する意識改革を行うことも大切です。
なんといっても、予算を決めたり、実際に政策を実行したりするのは公務員ですから。

私が述べたことは昔から何度も言われていますが、まだこのように上手く運営できているとは言いがたい自治体が残っていることは事実であり、これから町の皆さんと一緒に改善していきたいと考えています。私が現在取り組んでいるインターンも、そのためのものだと思って取り組んでいます。

 

後々、意識改革がなされ、「よし、これから頑張ろう」となったとき、過疎と少子化で町の担い手である若者がいなくなっていたらおしまいです。
地域活性化は、まだ町に若い人が残っているうちにやらなければいけません。

未来に後悔しないため、今やらなければならない緊急課題です。

新國光太郎

新國光太郎

投稿者の過去記事

立命館大学在学中。高校時代に、SoftBankのTOMODACHIプログラムで渡米し、まちづくりを通したキャリア教育を受ける。帰国後、県の観光プランのコンテストにて県知事賞を受賞。その他にも高校時代は、福島民報が主催する復興大使としても活動をしていた。大学では、大垣市のまちづくりやいわき市のコミュニティーデザインなどの企画にも参加している。現在は、大学を休学して、地元福島県金山町でインターン中。

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