神は本当に存在するの?

 SeiZeeの企画で、宗教に関する記事を書いてもらいたいと依頼された。そこで今回は「あなたは神を信じますか。信じる/信じないと思うときはどのような時ですか。」をテーマに論考する。

神って何?

 神というのは人知の及ぶ範囲で回答しきれない森羅万象の事象に対する説得的な解であろう。すべてのことが説明できるとすれば、問題集についている解答のようなものが存在するはずで、人がすべてを解決できない間はその解が神だと仮定しよう。つまり、人が理解できない表象に対して、全知全能の存在として答えを持っているのが神である、ということだ。そこでまず私は神の存在を「説明不可能性に対する合理的な応答」と定義することから始める。

神なんていなくね?

 ここで問題になるのは、「神はいるのかいないのか」という問だ。これに解答しておく必要がある。というのも、「神」という存在の定義からして、その存在を問うことは「ツチノコはいるのかいないのか」という問とは性質を異にするからだ。ここでは「神」の存在は実際的なexistenceに依存しない。依存するものがあるとすれば、ヒトが回答できない表象が世界に存在するという事実に対してである。
 
 
 ヒトが理解しきれない事象に対しヒトよりも高次の存在を措定し、それが回答を持つと考えることは、科学が進歩したとは言え、まだ分からないことだらけの世界を考える上で、ヒトが回答できない問を納得する合理的な手段といえよう。

説明できないこと

 例えば、キリストが行った奇蹟は人知を超えている。石をパンに変えるであるとか、手をかざすだけで病や怪我が治るであるとか、果てには死から立ち返ったとかである。

聖書は正しい

 さてここで多くの人は「そんなことあり得ない」というであろう。これまた無意味な言である。聖書の内容に関しては「聖書の無謬性」という作法がある。つまり「聖書に書かれていることは全て本当なんだ」という意味である。そのため先の例もすべて本当のことであると仮定した上で、向き合うことが必要だからだ。
 
 
 しかし重要なことは、聖書の内容が事実かどうかということではなく、聖書に書かれた内容が口伝されるうちに変形されたとしても、それに類するないし原型となる事案が存在したであろうということ、つまり当時の人々が理解できる範疇を越えることが行われたということである。ここにこそ「神」が宿っているのである。 

そこここにいる神

 キリスト教にこだわらずとも、多くの国で雷や海、空、川、空気には人知を超えた存在が必ず宿っている。それは日本における「八百万の神」やギリシア神話その他における諸神の存在からもうかがえる。極めて乱雑な言い方だが、それらの数多存在する「神」の総和として現れているのが「全知全能の神」「唯一神」であり、ヤハウェであろう。やはり「神」は「説明不可能性に対する合理的な応答」として確かに存在するのである。

神の力が落ちまくってるw

 立ち止まってみれば、日進月歩の科学によりヒトが理解できるものは増えた。そのため「神」の力は落ちたし、信じないという現象が起こるようになった。そのせいで寺社仏閣は破却されるし、「無神論者」が増えた。

 
 しかし、彼らは「神」なしにはこの世の、理解を超える現象に対し納得的な回答は持ち得ないという事実を忘れ、あるいは認知せずに生きていることになる。無神論者であることは悪くないが、理解できないことに対し目を瞑るという状態が生まれている恐れがあることは否定できないであろう。

神はいなくても大丈夫

 今日、我々は神の存在を措定せずとも不安なくご飯を食べられる時代に生きている。しかし、そもそも「明日を生きるのが怖い」という状況下に生きる人々の時代に現出した存在が神であり、また回答できないことに対する応答を構成するのが神であるということを直視できずにいるのが、現代の人である。
 
 
 「何もないが、突然何かが爆発するビッグバンでこの世界はできたんだ」と一般に流布されている言説に対し、「火のないところに煙は立たぬ」という故事を踏まえればそれこそ「あり得ない」もので、理解の範疇を超えている現象であり、そこにこそ「神」が宿っているのである。
 
 
 畢竟、「神はいる」とか「神はいない」とかといった議論はあまり省みる必要のないものであろうというのが、私の結論である。そのため「神を信じるか否か」という質問に対しては「存在は信じるが、崇める対象としては信じない」といったスタンスを取っている。

斉藤亮太【思想・哲学・宗教、政治、文化】

投稿者の過去記事

私に「社会不適合者だ!」と言ってくる人がいますが、それならば社会が私に合わせればいい。え? 合わせられない? そんなに能力低い社会なら変えないとねぇ。
座右の銘「まず疑ってかかるのが科学です」ー

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