日本と世界と民主主義〜私が選ぶ今年の3大ニュース〜【斉藤亮太】

2015年もあと数週間で終わります。振り返ってみると今年も激動の年でした。世界ではロシアが冷戦後の欧州国際秩序に挑戦したり、アメリカとキューバが国交回復したりしました。加えてナッツの渡し方が悪かったという理由で航空機を空港に戻らせた事件が韓国で起こったり、多数の死傷者を出した爆発事故が中国で発生したりしました。国内に目を向ければ、いわゆるオウム裁判がありましたし、維新の党の分裂劇もありました。

さて、他のライターに引き続き、2015年を3つの出来事から振り返ってみます。

http://www.pollinator.ca/bestpractices/tree_nuts.html より

ナッツ http://www.pollinator.ca/bestpractices/tree_nuts.html より

 

私が挙げる出来事は、国際ニュースからふたつと、国内の出来事からひとつです。

 

1.シャルリー・エブド襲撃事件

 

まず一つ目は、1月のISISによるフランスのシャルリー・エブド社の襲撃事件についてです。もちろん11月13日のフランス・パリでのテロも重要です。しかし、それを知っている私たちが再びシャルリー・エブド事件に戻ってみることが必要だと考えているため、あえて一月の事件を振り返ります。

http://www.dutchnews.nl/news/archives/2015/01/the-new-charlie-hebdo-for-e100-check-out-the-offers-on-marktplaats/ より

http://www.dutchnews.nl/news/archives/2015/01/the-new-charlie-hebdo-for-e100-check-out-the-offers-on-marktplaats/ より

 

この事件では、フランスの出版社シャルリー・エブドを、ISISのメンバーとされる2人組が襲撃しました。このISISによる襲撃を受けたのはシャルリー・エブドが発表しているカリカチュア(風刺画)が原因だとされています。彼らのカリカチュアは、おもしろおかしくムハンマドや宗教指導者を描くなど宗教的な風刺を含んでおり―さらに悪いことに、イスラム教では偶像崇拝禁止されていることから―、ムスリムにすると極めて強い反感を抱くものでした。つまり、<無差別テロではなかった>のです。

 

さて、この事件を受け、西洋社会は「自由と民主主義のために!」、「表現の自由のために!」と団結しました。西洋社会と中東の一部の過激派がぶつかったこの構造は、欧米とロシアや中東社会がぶつかると論じたサミュエル・ハンチントンによる「文明の衝突」のそれに似ています。ここで翻ってみると、ロシアが西欧文明と衝突し、ISIS―イスラムのほんの一部とはいえ―も西欧文明と衝突しているのです。サミュエル・ハンチントンが危惧していた形の紛争が目立った年だったと感じています。

 

2.シンガポール建国の父 逝去

 

次に、シンガポール黎明期の指導者リー・クアンユーの死去を挙げようと思います。彼は、経済発展のために独裁体制をとる開発独裁を導入することによって、小国シンガポールを大きなプレゼンスを誇るアジアの経済強国にしました。彼の経済政策は、税制優遇や外資の取り込み、空港や港、道路を整備することが主要なものでした。マレーシアから分離独立したシンガポールは、710平方キロメートルと小さく、資源にも乏しい。その国が生きていくためには経済流通の拠点になるしかない、と考え開発独裁を行ったのです。

http://sekatabi.net/2014/02/12/lee-kuan/ より

リー・クアンユー氏 http://sekatabi.net/2014/02/12/lee-kuan/ より

 

私は、いかなる形であれ独裁を肯定はできません。しかし、責任倫理(ここでは結果責任に同じ)が何よりも重視される政治において、独裁状態とはいえ大きな成果を挙げた彼は高く評価されてしかるべきだと考えます。そんな、シンガポールの英雄が今年亡くなりました。シンガポールの人々はその喪失感に大きな絶望を覚えたかもしれませんが、これからも彼の作り出した経済構造を発展させ、繁栄を保ってもらいたいです。

 

3.記念すべき誕生

 

最後に国内の出来事として挙げるのは、7月のできごとです。みなさんは、何か分かるでしょうか。

 

そう、実は、このSeiZeeがローンチ(発表)された月です。多くの記事が公開され、今では、発表から4,5ヵ月とは思えない濃さになりつつあります。SeiZeeの1年後、2年後、3年後が楽しみでなりません。来年の同じ時期に、より多くの方とSeiZeeの1周年をまた大事にできることを楽しみにしています。

seizee

読者の皆様、これからもSeiZeeをどうぞよろしくお願いいたします。それでは良い日々を。

 

アイキャッチ画像は(http://mainichi.jp/feature/news/20150205mog00m030003000c.html)より引用

 

斉藤亮太【思想・哲学・宗教、政治、文化】

投稿者の過去記事

私に「社会不適合者だ!」と言ってくる人がいますが、それならば社会が私に合わせればいい。え? 合わせられない? そんなに能力低い社会なら変えないとねぇ。
座右の銘「まず疑ってかかるのが科学です」ー

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